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小中高STEM人材育成へ新たな試み
『次世代科学技術チャレンジプログラム』

今年度から新たにはじまる「次世代科学技術チャレンジプログラム」の採択機関が6月21日、発表されました。科学技術イノベーションを牽引する次世代人材を育成することを目的としたこの事業は、理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒にとって、専門的な研究指導を最長5年間、支援してもらえるチャンス。知っておきたい制度の目的と特徴、今年度採択された実施機関、注目すべきポイントなどをまとめました。


INDEX

▷12機関に決定!プログラムの目的と特徴は?
▷「小中高型」に注目!最長5年の長期探究活動へ深化も」
▷応募資格が拡大 地方部・活動の多様化に期待

12機関に決定
プログラムの目的と特徴は?

これまで、初等中等教育段階(小学校~高校)における科学技術人材育成支援は、2014年から始まった高校生向けの「グローバルサイエンスキャンパス」と2017年から始まった小中学生向けの「ジュニアドクター育成塾」とに分かれていました。

これら二つの取り組みを発展的に統合したのが、今年度よりはじまる「次世代科学技術チャレンジプログラム」です。理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を対象とした長期的な支援と中学校段階から高校段階への切れ目のない育成を目指します。

育成を目指す人材の具体例は以下の通りです。

✔ グローバルに活躍する科学技術人材(研究者等)
✔ データサイエンス等の特定の分野で活躍する高度専門人材
✔ 地域課題解決や地方創生等地域で活躍する人材

 

支援を受けられる機関は公募で決まり、最長5年間・1年あたり1,000万円~4,000万円を上限に交付されます。今年3月、「小中型」「高校型」「小中高型」の3つのタイプで申請タイプに分かれて募集が行われ、この6月に採択されました。

結果は以下の通りです。

小中型(ジュニアドクター育成塾の後継 ) 6機関 ※プログラム名は抜粋
・慶應義塾大学(KEIO WIZARD “GLOCAL”
・静岡大学(静岡STEAMアカデミー
・三重大学(三重ジュニアドクター養成塾
・鳴門教育大学(未来を切り拓く次世代の科学者をオール徳島で育てよう
・津山工業高等専門学校(つやまSTEAM人材育成塾
・沖縄工業高等専門学校(若きダーウィン養成プロジェクト

 

高校型(グローバルサイエンスキャンパスの後継) 3機関 ※プログラム名は抜粋
・国立情報学研究所(共同:情報オリンピック日本委員会、情報処理学会)(情報科学の達人
・奈良先端科学技術大学院大学(次世代型理数系人材の育成
・愛媛大学(地域と世界の未来を創造するグローカルフロンティアリーダーの育成

 

小中高型(新設) 3機関 ※プログラム名は抜粋
・東北大学(共同:岩手大学、宮城教育大学)(科学者の卵養成講座
・東京大学(UTokyoGSC-Next
・金沢大学(科学技術イノベーターの育成

 

なお、昨年度以前に実施されていた「グローバルサイエンスキャンパス」及び「ジュニアドクター育成塾」が継続中の機関が「小中高型」に採択された場合、「小中高型」に取り組みを一本化、受講生が継続的に活動できるよう配慮を求められています。

「小中高型」に注目!
最長5年の長期探究活動へ深化も

3つの申請タイプのなかで最も注目すべきは、「小中高型」で採択された実施機関です。「小中型」と「高校型」の受講生育成期間が2年程度であるのに対して、「小中高型」は最長で5年程度。長い時間をかけて広範な基盤知識の獲得を見込めるとともに、適性を判断しながら発展的な長期探究活動へ移行し、深化を図ることができます。また、受験等を考慮した柔軟な育成に対応することも特徴としています。

事業主体である科学技術振興機構から示された「5年間における活動サイクルイメージ」は下記の通りです。※このイメージはあくまで例示であり、応募機関や地域の特徴、育てたい人材像や育成プランに応じて、一定の条件内で自由に設計可能となっています。

出典:令和5年度 次世代科学技術チャレンジプログラム企画提案募集に関するFAQ(科学技術振興機構)

3度にわたる選抜があり、必ずしも全員が長期支援を得られるわけではありませんが、相談・指導・助言などを通して受講生のサポートを担当するメンターのもと、個に寄り添った丁寧な研究指導を5年もの間受けることができるのは贅沢と言う他ありません。

東北大学は、共同機関である岩手大学と宮城教育大学、そして、東北・北関東地区の各教育委員会などとの連携を、また、金沢大学は、主に北陸圏の大学、高等専門学校、教育委員会、産業界との連携をうたっています。東京大学も含め、いずれの機関も、全国の小中高校生を対象にする取り組みではありますが、対面での指導もあることを考えると、東北、北関東、南関東、北陸在住の児童生徒にとってアクセスしやすい採択結果と言えるでしょう。

5年という長い期間をフルに使うことのできる小学校高学年~中学1、2年生はこのチャンスに積極的に応募してほしいと思います。参加するには選考がありますが、募集は、各機関がバラバラに行うので、アンテナを高くして調べておくことが大切。学校にチラシを配って募集するというパターンが多いそうですので、学校からのお手紙類も確認をしておきたいところです。

応募資格が拡大
地方部・活動の多様化に期待

初年度である今年度の審査には、「小中型」11件、「高校型」9件、「小中高型」9件、計29件の応募がありました。「小中型」は約2倍、「高校型」と「小中高型」は3倍の倍率で、さほど高くはない印象です。「次世代科学技術チャレンジプログラム」では、これまでの「グローバルサイエンスキャンパス」には応募資格のなかった高等専門学校、科学館、博物館、公益法人、NPO 法人、民間事業者が応募可能になりました。大学が取り組みの中心となる場合、どうしても都市部に偏りがちですが、地方の科学館や博物館などが手を挙げて採択されることによって、活動の多様性が増し、彩り豊かになっていくのではないかと期待しています。全国どこに住んでいる児童生徒にとっても身近に感じられる取り組みになってほしいです。

2023年度採択機関がある都道府県(科学技術振興機構公式サイトより)

最後に、今回ご紹介した「次世代科学技術チャレンジプログラム」に採択された機関のほか、昨年度以前に「グローバルサイエンスキャンパス」「ジュニアドクター育成塾」に採択され、指定期間が残っている機関は、科学技術振興機構からの予算を得て、今年度のプログラムを実施していきます。その一方で、過去に採択されて指定期間がすでに終わっていても、その取り組みを独自に続けている機関も存在します。自分の地域の大学や興味のある大学があれば、ぜひ、調べてみてください。

◆参考◆
・次世代科学技術チャレンジプログラム https://www.jst.go.jp/cpse/stella/index.html
・グローバルサイエンスキャンパス https://www.jst.go.jp/cpse/gsc/
・ジュニアドクター育成塾 https://www.jst.go.jp/cpse/fsp/

原稿:knockout
構成:原知子

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