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【新連載】卒業生に聞く!インターナショナルスクールのリアル #1

eduJUMP!の新しい連載企画がスタートします!スクール内部から見た魅力を明らかにし、インターナショナルスクールの”探究”を目指すこの企画。インターナショナルスクールではどのような教育が施されているのか、その魅力と特性は何か、また、どのような生徒がその環境で育ち、卒業後にどのように活躍しているのかなどについて深く探ります。卒業生が語る実際の教育風景、人格形成に与えた影響、そして卒業後の活躍とは-。ベールに包まれたインターナショナルスクールのリアルな姿に迫り、魅力をお伝えします。


卒業生に聞く!インターナショナルスクールのリアル
#1 セントメリーズインターナショナルスクール

公式サイトより

-名前と出身校について教えてください。

笠原瑛二です。セントメリーズインターナショナルスクールを2021年5月に卒業しました。国際的な教育を受けさせたいという祖母の方針で、父親がセントメリーズで学んだのが30年以上も前。その父が自分と同じ環境で学んでほしいと、兄と僕を通わせてくれました。

-年長からセントメリーズに入学したということですが、最初の印象は覚えていますか?

とにかく”スケールが大きい”という印象でした。そう感じた場面は二つあり、一つ目が物理的な校舎の大きさです。セントメリーズは、幼稚園でいう年長からの受け入れなので、年少・年中の時期はアオバインターナショナルスクールのプリスクールに通っていました。そこは、幼稚園専用の校舎だったのであまり大きくなかったんです。セントメリーズにきて、体育館やプール、人工芝のフィールドを見てその規模に驚きました。

二つ目は人です。生徒数そのものも多いのですが、とにかく多国籍で子どもながらに”世界は広い”と感じたのを覚えています。教室に入るとイスラエルやスペインなどそれまではあまり縁がなかった様々な国の子もいて、最初は仲良くなれるか不安もありました。今でこそ、その環境のおかげで多様な文化を間近で経験し、幅広い視野を得ることができたと感じていますが、当時は、不安だったのをよく覚えています。

校舎の写真
世田谷区瀬谷にあるキャンパス(公式サイトより)

-13年間過ごしたセントメリーズで、一番印象に残った授業や活動は何ですか?

授業もとても魅力的だったのですが、人と関わることが好きだった僕は、他校と関わることができる部活動に注力していました。特に、学校の部活動として出場する大会が国際大会であることは、部活動に力を入れていて、実績のあるセントメリーズならではの経験だと思います。例えば、高校時代に所属していた合唱部ではシカゴで開催された国際大会に出場、レスリング部では韓国の米軍基地での試合に出場しました。ほかにも、サッカー部がオーストラリアに、クロスカントリー部がグアムの試合に遠征するなど、国際大会に出場することは珍しいことではなく、日本の学校では味わえないような国際経験を得ることができました。

合唱部で出場したシカゴのFestival of Goldにて金賞を受賞

-学校生活を通じて得た最も価値のある経験は何ですか?

リーダーの本質に気付くことができた点です。僕は、野球部とレスリング部の両方でキャプテンを務めていました。実は、地域の少年野球チームでもキャプテンを務めた経験があるのですが、その時は、コーチからトップダウンで物事が進むためチームをまとめることには苦労しませんでした。しかし、セントメリーズでは、コーチからの指示に、皆が思考を巡らせ積極的に意見を言い合い、時には反対するという環境の中、キャプテンに求められているのは、「まとめる」力ではないことに気が付きました。部員のそれぞれの意思を尊重して、全員で意見を出し合い切磋琢磨できる環境を構築して、その上で方向性を修正していく力、つまり「導く」ことが僕の役割なのだと。「まとめる」と「導く」の違いを理解し、リーダーとしての本質に気づくことができたのが学生生活において一番価値のあった経験だと思います。社会に出てもこのように多様なバックグラウンドを持つ仲間たちを、一つの目標に向かって導いて行きたいと思います。

横須賀基地で開催されたレスリングのFar East Tournamentでの試合

-先生方についてはどのように感じますか? 特に印象に残った先生はいますか?

セントメリーズは先生の数も多いので、正直、合わない先生もいるとは思いますが、自分に合った先生は必ず見つかると思います。僕の場合は、小学校1年生の時の担任の先生や中学1年生の時の数学の先生など今でも連絡を取り合うぐらい親しくしていただいています。

中でも印象に残っている先生は、日本語論文などを指導してくれたIB Japanese HLの先生です。僕に限らずどんな生徒とも向き合い、それぞれの人生のことをきちんと考えてくださる先生でした。放課後も毎日のように遅くまで残り、生徒の相談事や雑談に付き合ってくれていました。夏休み中も各生徒のために追加で課題を用意してくれ、丁寧にフィードバックもくれていたので生徒との関係性を重視するだけでなく僕たちの成績面も真剣に考えてくださるのが伝わってきました。

-学びの環境としてはどうでしょうか?

教育環境については整っていると思います。学年別の図書館が設置されていますし、英語が苦手な生徒のためのサポートも手厚くしてくれます。生徒全員が高い目標を掲げ、勉強に取り組んでいるので、自然と自分もプレッシャーを感じ頑張ることになると思います。

また、学業に限らず生徒が総合的に成長できる環境も整っていると思います。運動部はもちろんですが、その他にもミュージカル、ロボティクス、ディベートなどどんな生徒でもパッションを見つけ、主体的に取り組めるような活動が充実しています。

-学校行事について教えてください。

二大イベントとして10月のビンゴ大会と5月の文化祭があります。先生、在校生、親や卒業生、近隣住民の方も参加できるイベントで、とても盛り上がります。さらに冬には、小学校から高校までの各学年毎にスキー旅行に行くのですが、毎年行くのが楽しみだったのを覚えています。

毎年学年ごとに行くスキー旅行

-学校でのコミュニティやカリキュラムがキャリアや人生観にどのような影響を与えましたか?

キャリアに関しては大学生になった今、現在進行形で影響していると思います。セントメリーズには他校と比較しても引けを取らない莫大なアルムナイコミュニティーが存在します。在校生に対してキャリアについて語るイベントが開催されたりと様々な活動を行っています。

卒業した後でもキャリアについての相談できたり、キャリアの機会を提供してくれたりもします。こういったコミュニティーの存在は、就職活動をしている今は特に心強く感じます。卒業生全員が家族のような感覚なので、卒業後もキャリア面でサポートしていただけるのは貴重だと思います。

-この学校のどのような特徴があなたを成長させたと感じますか?

男子校という特徴が僕を成長させてくれたと思います。女子がいるとどうしてもかっこよく見せたいだったり多少意識してしまう部分が自分の中にはあります。そこで、男子校だからこそ気を使わないでバカ騒ぎしたり、煩悩を抱かず勉強や部活動に励むことができた部分はありました。さらに言うと、皆がすべてにおいて気を遣わず本気で接してくるため、競争心も磨くことができました。

共学じゃないことが、否定的に言われることがあるのですが、僕の中では男子校だったからこそのびのびとし、男子校ならではの「ノリ」を構築しながら、共に成長できたのではないかなと思います。

卒業式では、特徴的な青いガウンを着て参列する

-セントメリーズに改善点してほしい点はありますか?

卒業生の立場から言わせていただくと、他校との関係性をもっと築いてほしいと思います。セントメリーズはいわゆる伝統校で、姉妹校や他の伝統校との関係性は根強く築かれていたものの、それ以外のインターとはあまり関わりがありませんでした。

大学に進むと、国内に限らず様々なインターを卒業した大学生と関わる機会があります。このような方々と関わると面白く、刺激を受けることが多いです。もし、高校時代から他校と関わる機会があればさらに視野を広げられるだけでなくコネクションも幅広くでき、成長できたと思うので、是非そういった機会を設けてほしいですね。

-入学を検討している学生に向けて何かアドバイスはありますか?

『男子校』『カトリックスクール』という特性から敬遠する方もいるかもしれませんが、セントメリーズは、卒業してもなお、ふと戻りたくなるような”家”みたいな場所です。多くの卒業生が文化祭や学校行事で戻ってくることからも、他校に類のないアルムナイコミュニティーがあることも、卒業生が皆そういう思いがあるからだと思います。とにかく自分らしく過ごせる場所ですので、学業だけではなく、部活動や先輩・友人とのつながりを大事にしながら、”家族”の一員として次の時代につないでいってほしいです。

聞き手・原稿:eduJUMP!編集部
写真:笠原瑛二さん提供
構成・校正:原知子

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