【オランダ発】良いインターナショナルスクールの条件とは?
ヨーロッパの親たちは、どのようにインターナショナルスクールを選んでいるのでしょうか。
お子さんの教育の選択肢として国際教育を考えるとき、多くの親御さんが悩むのは、学校の選び方ではないでしょうか。

良質の教育にはどのような環境が必要なのか? どのような子どもたちが通う学校なのか? どのような経歴や経験値をもった教師たちが教えているのか?
もちろん、学費のことも気になります。
学校のウェブサイトやパンフレットには「学校の」情報は書いてあります。しかし、「うちの子の」力を伸ばしてくれる、あるいは子どもの個性に合った学校かどうかは、それだけではわかりません。
オランダに本部があるインターナショナルスクール協議会 (CIS) *1が公開している、「親たちはどのようにインターナショナルスクールを選んでいるか」*2という記事が参考になるかもしれません。
CISは、世界の学校や大学などを認定している国際的な組織です。筆者のパトリシア・マーチン博士は、その認定審査にかかわっている人物で、認定の仕組みを理解しておくと、インターナショナルスクールを選ぶ参考になるだろう、とその理由を説明しています。以下、記事の概要を紹介します。
インターナショナルスクール選びの難しさ
世界には、現在1万1,451校以上のインターナショナルスクールがあり、その数はこれからも増え続けることでしょう。
実際には、学校をつくった人なら誰でも、「インターナショナル」と名づけることができます。

出資の主体は企業や個人、あるものは保護者のグループなどさまざまですが、学校の教育の質は保証されているわけではありません。
母国で学校を探す場合、親は自分の経験から、学校文化や運営方法、期待できること、保護者・教師・運営者の役割などについて理解しています。
卒業生やその保護者と話す機会もあるかもしれません。
こうして学校の全体像を把握することができます。
しかし、インターナショナルスクールの場合は、母国の学校と同じような経験・理解が親にないため、学校選びは一層難しくなります。(*編集部注 元記事では海外赴任で学校を探す場合を想定しています)
良いインターナショナルスクールの条件とは
多くの親は、まず学校を訪問してみようと考えます。設備や子どもの様子はそれで見て取れるでしょうが、以下の点は学校見学ではわからない、とマーチン博士は指摘しています。
・学校の財政はどのように管理・運営され、経営方針が定められているのか
・学習のための設備はどの程度整っているか。
・教師はどのくらい教育を受けていて、どのように選別されているのか
・教育内容の質はどうか
・子ども社会的・情緒的ニーズは考慮・尊重されているか
・特別な配慮が必要な子どもために、どのような設備があるか
さらに、もっとも重要なこととして以下のチェックポイントを挙げています。
・学校にいるときに、子どもたちは安全に過ごせるのかどうか
そして、インターナショナルスクール評議会(CIS)による認定は、経験豊富な、独立した教育者のチームによって、上記の各点を調査・確認したものであり、国際的な環境で暮らす生徒とその保護者に必要な条件を満たしていることを示している、とまとめています。
日本の文部科学省もCIS認定校を「国際的な評価団体認定外国人学校について」として卒業生に大学志願資格を与えています。*2
CISは、世界122か国で教育機関を認定*3している、非営利の国際組織(本部はオランダ、ライデン)です。
小学校、中・高等学校、大学など全世界で1360以上の学校を認定していて、日本では14のインターナショナルスクールが認定されています。
*2 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111314/006.htm