なぜ、寮がある学校が12校も増えているのか?

編集部が取材を続けているとある傾向にたどり着きました。

それが、寮があるボーディングスクールが増えていることです。
時系列で書き出すとその増え方が実感できます。

2006年
愛知県:海陽学園

2014年
長野県:UWC ISAK Japan

2018年開校
石川県:国際高等専門学校(旧名称金沢高等専門学校)

2019年開校
広島県:広島叡智学園
世界:インフィニティ国際学院

2020年開校
広島県:神石インターナショナルスクール
広島県:瀬戸内グローバルアカデミー

2022年開校予定
岩手県:ハロウ校安比ジャパン
長野県:白馬インターナショナルスクール
愛知県:国際高等学校

2023年開校予定
未公表:ラグビー校
徳島県:神山まるごと高等専門学校

大都市には開校しないボーディングスクール

図を見ていただくと一つのことに気付くと思います。
東京、大阪に新規にボーディングスクールが開校していません。

2000年以降、名古屋の海陽学園、国際高等学校(2022年開校予定)以外、東京、大阪、福岡にボーディングスクールは計画されていません。

海陽学園も愛知県ですが、リゾート地にあり、2022年に開校する国際高等学校は、広大なキャンパスの中に開校します。

すなわち、2000年以降に開校したボーディングスクールは、通学型ではできない学びを提供していると考えられます。

リゾート地では、スポーツやスキー、ゴルフ、トレッキング、天体観測などができます。
また四季の変わり目を体感でき、自然に近いことが心身の成長にも影響を与えます。

都心にないその土地が持つ魅力を持ったスクールが増えています。

なぜ、寮があるボーディングスクールが増えていくのか?

背景として考えられるのが、少子化です。
少子化により兄弟姉妹が少なくなり、一人っ子が増えました。

子育てをする中で、異年齢の子ども同士のコミュニケーションの時間と質を保護者が必要と感じていると考えられます。

また、思春期に入る中高で学業に専念できる環境で学んで欲しいというだけではなく、スポーツや課外活動も存分に没入することができます。

結果的に、大人になってから「引きこもり」など親に依存する心理環境が生み出しにくくなります。

親子の関係の変化

ボーディングスクールに入ることで、親子が離れることで親子の関係性が、親と子ではなく、個人と個人と独立した関係性に変化します。

ボーディングスクールで育まれる独立心は、日本の社会問題になっている「引きこもり」「ニート」という家族形態の行き詰まりを解決する方法のひとつになるのでは、と考えられます。

一人っ子が増えたと同時に「親の子離れ」もボーディングスクールに入学することで、親が子どもに依存しないメンタルを育むことができます。

プロに任せる

少子化とともに共働き家庭が増えました。
子育てを核家族でしていく流れから、教育のプロフェッショナルに託す流れが増えています。

世界のボーディングスクールでも、早いと小学生、中高生でボーディングスクールに入学させます。
子どもに独立心と社会性を身に付けさせ、さらに学業とスポーツ、音楽、アートなど教養を深めるためにボーディングスクールに入学させることが増えています。

アメリカのあるボーディングスクールでは、入学と同時にひとり1頭の馬を卒業まで面倒をみる学校があります。
全寮制のため朝から馬の世話をすることができ、人、物、学業、スポーツに加えて動物と乗馬という寮制のメリットをフルで学びとして提供しています。

寮のハウスマスターは、ひとりひとりの学業のサポート以外に課外活動、体調、心理などをモニタリングしています。

メンタルを含め、アドバイスをします。

プロのメンターがハウスマスターとしていることで、心理的に近い親ができないことを第三者がアドバイスしながら「個」の成長を促すことができます。

プロフェッショナルに託すことで、子どもが「自分の人生」として親から独立し、第三者とコミュニケーションを構築し、スキルとして身に付けて社会に羽ばたきます。

ボーディングスクールの増加は、核家族で少子化になっている時代背景からも、一人当たりの教育費の予算が増えたことも背景にありそうです。

編集長 村田 学
eduJUMP!創刊編集長 元インターナショナルスクール経営者で、国際バカロレアの教員研修を修了。 日本初のインターナショナルスクール専門メディアの創刊編集長を務めた後、eduJUMP!創刊に伴い編集長に就任。 【エピソード】 人生初めての学校である幼稚園をわずか2日半で退学になった「爆速退学」経験者。 「幼稚園退学」により、3歳から孤独な国際教育評論家として教育について考え始める。 日本帰国後も、帰国生として日本の教育制度に馴染めず、さらに孤独な国際教育評論家としてアメリカ、日本を比較し、考え続けてきた。 【取材協力】 TV、ラジオなどにも出演し、新聞のインタビュー、雑誌などにも寄稿している。各メディアの取材協力も数多く手掛けている。
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