電通から、茨城県立水海道一高・附属中の副校長になって約3ヶ月。いろいろやりはじめたことのレポートです。
eduJUMP!様には連載の許可をいただきましたので、僕の“福”校長奮闘記を、こちらを通じてお報せし続けていきたいと思います。
教育ガラガラポンプロジェクト代表
カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル2015審査員
海高クリエーティブ・プログラム
・5月31日(火)、プロが教える動画編集教室!
文化祭のオープニングムービーの動画編集に
プロのCM監督を招いてPremireProを使った編集教室を開催!
文化祭が6月10、11日に開催されました。GW明けに文化祭実行委員会から動画の相談を受けました。この打ち合わせがグダグダだったんですが、幸運にも可能性のある企画に決まりました。
その後、制作に向けてのアドバイスの文章を作り、送りました。そこから生徒たちががんばって撮影をし、この日、学校に遊びに来てくれたCM監督に編集教室をやってもらいました。
そこで目が開いたようです!
そこから連日、僕のパソコンにしか動画編集ソフトが入っていないので朝、昼、放課後、僕のパソコンで編集作業が始まりました。「先生どうして土曜日来ないのー!」とか言われながら、文化祭前日まで作業が続き無事やり遂げました。
きっかけを与えればみんなやるんだよねー、こだわるし!
・6月3日(金)、電通クリエーティブ・スクール、開校!
第1回「面白いことには、価値がある」
出向で行けることが決まった瞬間からイメージしていたイベントです。
3人の電通のクリエーターを招いて、「面白い!」についての面白い話をしてもらいました。
その前に、募集が大変でした・・・水海道一高にはセンターホールという素晴らしい人が集まる場所があるのですが、コロナ禍でイベント使用の目処が立たず、安全策で人数を決めて講義室という60人ぐらい入る教室でやることを決めました。
もっとたくさんに聞いてもらうはずが、という気持ちだったのですが、最初の呼びかけに応じたのはたった13人!そこから毎日お昼の校内放送で「ねぇ、君たち・・・」と話しかけ、ようやく70人が集まりました!クリエーティブってなんだかよくわからないものなんですね、生徒たちには。
でも、その結果は大盛況!また生徒たちの目が開いたようです!
満足度は94.4%!
面白い社会人にはじめて出会った!という顔をしてました。感想も長文が多く、やってよかったと思いました。
・6月15日(水)、ECCさんとVR英会話体験!
英会話塾などで著名なECCさんとは、僕が副校長に就任する前から旧友を通して連絡をいただき、なんかやろう!という話をしていました。
まずはECCさんがいま試しているVR留学のコンテンツを体験させてもらうことに。
高校生10人と中学生10人に体験してもらったのですが、中学生の方が呑み込みが早い!デジタルネイティブとはこのことか!
高校生たちは体験はもちろんのこと待っている間に、ECCの先生たちとイタリアとスペインは女子はムチャクチャモテるよー!といった雑談も刺激的だったよう!
経験の幅を広げる「とっかかり」というものが本当に大事だと気づく。
このプロジェクトは継続して、生徒主体でオリジナルの英語学習プログラムを開発して、ECCさんと協業して販売するところまで持っていきたいと思っています。
・6月29日(水)、東大生考案!職業選択ゲーム!
東京大学片平ゼミ生11人がやってきて生徒たちと
ワークショップ!テーマは職業選択!
東京大学片平ゼミは僕の出身ゼミです。いまでも先生とはお付き合いをさせていただいており、そこの現役生とプロジェクトをつくりました。
ゼロベースから職業選択ゲームをつくったのですが、さすが東大生、面白い企画になりました。
ウェブの性格診断ソフトで生徒に性格診断をしてもらい、そこにある向いている職種に納得したりしなかったり。その後、いろんな職業の中からやりたいものを2つ、絶対嫌だというものを1つ選びます。
絶対嫌を選ばせるのも面白かった。
最後はみんなで東大生たちに聞きたいことを聞きまくり、またその答えがさすがに秀逸で、生徒たちもいい刺激を受けたと思います。
また場所も、コロナ禍が落ち着き、ついにセンターホールを活用し、その後、各教室でワークショップをするということが初めてできました。
そして、何より東大生を宇宙人みたいな存在だと思っていた生徒たちに、東大生とリアルに話す機会を与えられて、ふつうのがんばった人たちなんだという実態を知ってもらったことで、リアリティを持って勉強をがんばる気持ちになったようでした。
なんでこんなことをやっているのか?
現在のたいていの学校は勉強と部活で構成されています。
そして、茨城県では特に部活加入率が高く(本校では85%を越えます)、生徒は自分の時間をほぼ学校で過ごします。
でもよくよくこの構造を見ると、どちらも生徒と先生が同じ方向を向いていない、かみ合っていない構造です。
この間に、先生も生徒もやりたい、部活でも勉強でもない「学び」がつくれるはずだ、というのが僕の問題意識です。
そして、僕にできるのはクリエーティブな学びです。
なので、水海道一高は僕のいる間でSuper Creative High School化していこうと思っています。
これは、国の施策のSuper Science High Schoolを意識したものですが、この動きがきっかけとなって国の施策にまでなればいいなぁ・・・と考えている次第。
次回の連載をお楽しみに。
茨城県立水海道第一高等学校・附属中学校
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