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学術的に証明。探究型学習は、幼児から算数・科学の思考を高める!【Education Week発】

探究型学習とは?

本記事は、Education Weekより翻訳、掲載許可を受け、eduJUMP!編集部が翻訳し、掲載しています。

文部科学省も2020年に探究型学習を取り入れた「学習指導要領」に改定しました。
なぜ、探究型学習が取り入れらたのでしょうか?

探究型学習の効果を学術的に調査する中で、eduJUMP!編集部は、Education Week誌のある記事に注目しました。

Sarah D. Sparks著 ”Students Learn More From Inquiry-Based Teaching, International Study Finds”です。


研究によると、幼児、小学校低学年を対象とした数学や理科の授業では探究や問題解決をベースにした授業を行うことが有効です。

プログラムやアプローチは異なりますが、研究者は下記の共通点を見つけました。

【共通点】

– 生徒は、質問や問題を提示され、それを解決したり説明するために協力して取り組む

– 生徒は、問題を調査するために、信頼できる情報源を探し、自分でデータを収集したりすることを学ぶ。

– 生徒は、他人と協力して理論や説明を創造する。

– 教師は、生徒が学習した内容や活動を完結するまでに活用したプロセス、概念や生徒が将来的に同様の問題を解決する際に関連付けを前提に探究学習の時点で指導と土台を築く。

国際的な研究によると、数学や理科を探究や問題解決型で学ぶと幼児、小学生にも効果的であると検証されています。

米州開発銀行の教育エコノミストのEmma Näslund-Had-ley氏とRosangela Bando氏、カリフォルニア大学バークレー校のPaul Gertler氏は、南米4カ国で調査を実施しました。

対象となるのは、算数と理科のプログラムで探究型の学びを導入している初等教育です。

探究型の研究結果

対象国は、アルゼンチン、ベリーズ、パラグアイ、ペルーの4カ国で、17,000人以上の生徒を対象に10回の無作為な比較実験を行いました。

研究者たちは、年長、小学3年生、4年生のクラスを2つのグループに分けて実験を行いました。

1.探究型の授業を行うクラス

2.一般的な数学と理科の授業を行うクラス(教師による講義、暗記、演習)

1.2のグループ分けは、無作為に割り当てられています。

調査では、米国およびアメリカ大陸の多くの学校が、特に算数と理科て、問題解決型および探究型の学びを実践し、より良い学びにしようとしていました。

研究は、算数と理科の探究学習の無作為調査は、最大規模であり、小学校だけでなく、年長も対象とした初めての調査でした。

探究学習と標準的な授業の違い

探究学習と標準的な授業では、授業そのものが大きく異なりました。

「標準的な理科の授業で子どもたちが実験をした場合、先生がクラスの前で実験をし、子どもたちは実践的な学習の機会がありませんでした」とナスランド・ハドリー氏は言います。

例えば、一般的な数学の授業では、教師が定義を説明し、基本的な問題を示し、生徒は残りの時間で問題を練習してから小テストを受けます。

探究型授業では、半袖と長袖の生徒の数を比較しました。

半袖と長袖のシャツを着ている生徒の数や、教室内の似たような例を比較して、生徒に概念を考えさせた後、生徒同士がペアになって「比率」の定義を考えました。

クラスでは、長さの異なる色つきの棒を使って机の大きさを測り、単位長さと必要な棒の数の関係を調べるなど、実生活で比がどのように使われているかについての演習を行いました。

その後、教師とクラスで結果を話し合い、比の概念の定義を決めていきました。

世界で探究学習が小学校から導入へ

探究型・問題解決型の学習は、近年、アメリカの学校では「コモンコア・コア(日本の学習指導要領)に相当」や「次世代科学基準」をきっかけに、世界中の学校でも行われています。

Emma Näslund-Had-ley氏とRosangela Bando氏、カリフォルニア大学バークレー校のPaul Gertler氏ら研究者は、各グループの算数と理科の標準テストの得点範囲を、探究型授業を始める前と7ヶ月後を比較しました。

その結果、週に4日以上、探究型授業を実施したクラスでは、標準的なクラスの生徒に比べて、数学と理科の成績が大幅に向上したことがわかりました。

探究型授業を受けた生徒の平均的な成績は、理科では標準型の授業を受けた生徒よりも標準偏差で0.14、算数では標準偏差で0.18向上しました。

学年や国を問わず、年長も含めて、探究型の授業から同様の効果が得られました。

本研究時に、就学前の年長を対象にしたところ「政府から『就学前の年長は、探究型授業はできない』と言われました。

しかし、今回、幼児でも科学者のように考えることは可能だと検証されました。

「幼い頃から、暗記させることなく、科学的・数学的思考を身につけさせることは、可能であることが明らかになったのです」。

探究型の算数と理科の授業を4年間続けた場合、平均的な生徒の成績は、算数では標準偏差の5分の2近く、理科では5分の1以上向上すると推定されています。

*標準偏差とは、あるテストの点数がどのように変化するかを示す指標です。

このように探究学習は、数学、理科をはじめ児童に効果的であると検証されています。

出典元:Education Week SPOTLIGHT 2021
https://fs24.formsite.com/edweek/images/8-15_InquiryBasedLearningSpotlight_Sponsored.pdf
Published on October 8, 2019

Education Weekより翻訳掲載許可を受け、eduJUMP!編集部が掲載しています。

リサーチ・翻訳:小澤玲子、編集:村田学

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