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国連のインターナショナルスクールからムサシインターナショナルスクールトウキョウの校長に就任したエドワード氏インタビュー

東京都三鷹市にある ムサシインターナショナルスクール トウキョウ(以下、MIST)*1

エドワード校長は、世界で生徒数がもっとも多いシンガポール・アメリカンスクールや国連インターナショナルスクールハノイ校に勤務されてきました。今回、MISTが校名を変更したのに合わせインタビューをさせていただきました。

編集部:御校は、日本で11校しかないケンブリッジ国際認定校です。MISTは、男女共学で2歳からの幼児部から初等部、中等部、高等部まで19歳まで学べます。2歳から高等部まで一貫してMISTで学べることによって、お子さんはどのように育つのでしょうか?

エドワード校長:生徒さんの人格を伸ばすという意味では、お子さんの未来をその子らしく伸ばすためにも、保護者との連携を大切にしています。

生徒のため保護者と先生の3つのグループが一丸となってお子様のためにチームとして歩んでいくことが大切です。

本校は、スモールスクールです。そのメリットは、やはり生徒ひとりひとりを「個」として成長を見守れる環境であることです。

ひとりひとりに寄り添うケンブリッジ国際認定校として、ゆくゆくは日本にけるケンブリッジ国際認定校のモデル校になりたい、という目標があります。

そのため日々、より良い教育ができるように、質が高い教育ができるように励んでいます。

ムサシインターナショナルスクールトウキョウは、2歳からの保育・幼稚部があり、英国式のケンブリッジ国際カリキュラムで学べる。

編集部:御校は、ケンブリッジ国際カリキュラムとSTEAM教育を掲げています。

エドワード校長:本校の中高部は以前からケンブリッジ国際認定校でしたが、初等部は、ようやくケンブリッジの認定を受けたところです。同時にケンブリッジ国際カリキュラムをベースにしてSTEAM教育も開発していきます。

MISTの校長に就任し重視していることとして、問題発見、そして問題解決ができる人物を育てたいと考えております。

私が育った時代は、たくさんの失敗から学びとることが重視されていました。そこからいかにそういう失敗を直していけるのか。

今の子どもたちが生きる21世紀には、生活様式を激変させるような素晴らしいテクノロジーが急速に進化する一方、新型コロナのような想定外の変化も起きる、答えのない未来が待っています。

今の新しい世代の子たちには、自ら問題を発見して果敢に解決策を提案し、それが失敗しても、また、改善策を提案していくことができるような人間になるように育てたいと思っています。

そのキーポイントの一つが「STEAM教育」です。

よく誤解されますが、STEAMは、Science、Technology、Engineering、Arts、Mathの頭文字の略称ですが、これらの科目を重視するだけならSTEAM教育ではありません。

STEAM教育とは、これらの分野の統合も含んだ、仮説・実験・検証・成功・失敗・再仮説と学びを深める問題発見解決学習のデザインなのです。

編集部:エドワード校長は、シンガポール・アメリカンスクールや国連インターナショナルスクールハノイで勤務をされてきました。国によって生徒構成が変わると思います。

例えば、アメリカ人、インド人、シンガポール人、マレーシア人、インドネシア人、ブルネイ人、韓国人、中国人などシンガポール・アメリカンスクールと国連インターナショナルスクールハノイ校では生徒構成が異なったと思います。地域によって国際生が変化する中で、校長としてMISTに赴任して教え方やコミュニケーションを変える必要を感じましたか?

エドワード校長:興味深い質問ですね。
例えば、国連インターナショナルスクールハノイ校ですと、各国からの生徒数が制限されていて、例えば、国連インターナショナルスクールハノイ校では、ベトナム人20%、韓国人 20%、アメリカ人20%、残りの40%は世界の他の国々からの生徒を目標にしていました。

日本人は、そのうち9%ぐらいでした。
シンガポール・アメリカンスクールでも、どちらの学校にも言えることがあります。

それは、アジア人の生徒構成が多いと様々な試験を受けさせたい、という希望がありました。
保護者からの要望で、ですね。

そのためにたくさんの種類の授業と試験を生徒たちは受けるのですが、果たしてそれで良いのだろうか、と感じていました。

どちらのインターナショナルスクールも長く勤務しましたが、試験とその結果を重視すぎる点がありました。

本校では、生徒一人一人にじっくりその子の強み、性格、弱みを含めて将来を考えていきます。
スモールスクールの良さとケンブリッジカリキュラムの良さを本校で実現できればと考えています。

編集部:ちなみに御校に入学するには、どのくらいの英語力が必要でしょうか?

エドワード校長:日本語母語の生徒は、さらに英語を伸ばす必要性がある生徒もいます。
その場合、読解力、スピーキングですとかすべてを強化する必要があります。

カリキュラムはすべて英語ですので、IGP(Intensive Growth Program、集中成長プログラム)に放課後やサマースクール中に入ってもらい、英語力を集中強化します。逆にいうと、英語力があればカリキュラムにきちんとついていくことができるでしょう。 

日本と異なり、ケンブリッジ国際カリキュラムは(年長からの)13年制です。9月初日の時点で5歳になっているタイミングで初等部はスタートします。

その時に一定の英語力があると望ましいですが、ゼロの場合は、IGPでしっかりサポートしますが、英語の脳のネットワークが出来るまではご家庭でも英語のメディアを積極的に見せる等のお願いをします。

進路について

編集部:今後、中高生は、IGCSEとAレベルを受験して進学していくのでしょうか?

エドワード校長:ケンブリッジの試験は、当校の生徒全員に当てはまるとは限りません。
その場合も学校として生徒の希望する進学先に合わせて柔軟に対応しています。

発表をする同校の生徒

例えば、ある高校生は、ケンブリッジの一部の試験と他の試験を並行して受けています。

ケンブリッジ国際認定校だから、ケンブリッジ国際試験しか生徒が選択できないのではなく、必要があれば、他の試験にも対応しながら生徒の進学先に対応しています。

学校として、試行錯誤しながら進路、試験の受け方も考えることができるのが当校の良さと思っております。

また大学入試もだいぶ変わりました。
例えば米国では、センター試験のようにSATやAPが主流でしたが、試験による合否を廃止するところも出てきています。 

大学によっては個々の生徒をしっかりと見ることに注力をし始めているところもあります。

生徒一人一人それぞれ違うため、一人一人の個性をしっかりとみたうえで大学合格を決める仕組みがアメリカの州立大学でも増えてきました。

STEAM教育にも強いMIST。

本校の生徒たちが卒業後、日本を含めどの国の大学に進学するのかを楽しみにしていますが、本学としては生徒にできる限りの選択肢を与えたい。

たくさんの選択肢があればその中で何を選びたいというのが生徒たち自身で決められます。

生徒が強みを強化でき、生徒たちそれぞれが情熱を持てることを見出すということが大事です。

そのためにも進学先を自分で比較し、選択肢、自分で決めていくことを大切にしたいと思っております。

編集部:御校の生徒自慢をお願いします笑。

エドワード校長:非常に興味深いですね笑。一例ですが、例えば、テレビや日本の最高級の劇場で活躍するタレンテッドの生徒がいたり、バイオリンとピアノにすごくたけている生徒もいます。

また、高校部にオーストラリア国籍の生徒がいるのですが、その生徒は、当校の授業を受けながらオンラインでオーストラリアの学校の授業も受けています。

その生徒たちは、卒業時に当校の卒業証書と、そのオーストラリアの学校の卒業証書も受けることになります。

新型コロナでは6月中旬まで、9時半から15時半まで毎日オンライン授業を行いましたが、それでも学習中、生徒たちがほかの生徒たちと対話があまりできなかった、フィジカルに一緒にいることができなかったのがすごく寂しかった、と話をしておりました。

おそらく生徒全員がそう思っていたと思います。
保護者によってはやはり学校再開を不安に思われる方も多かったんですよね。

ただ、実際はですね、おそらく生徒たち、学校にいる方が安全、というところもありますので、そういうこところで学校最高ということにしました。

求める生徒像とは?

編集部:MISTは、ケンブリッジ国際認定校として幼児部から高等部まで一貫して学べる国内で4校しかない1校です。MISTが求める生徒像があったら教えてください。

エドワード校長:まず一つ目に我が子をしっかりとサポートし、我が子のケアをしてくれる家庭と保護者がいるお子さまに来ていただきたいです。

例えばお子様の英語力を強化するためにどうすれば良いのか、ということを一緒に考えて実行に移してくれるような保護者がいるようなご家庭です。

二つ目は、日本人のお子さんは、保護者が母国語として日本語も大事にされるご家庭が良いと思います。

母語と母語の文化について日々の生活を通して、経験し、理解されていると良いと思います。

理由としては、インターナショナルスクールでその他の国の文化を学ぶためには、やはり母語と日本の文化をしっかりと知っている必要が重要です。 

生徒が自分の人生を成功するためにはアイデンティティーとして、母語と母国文化を確立できる家庭環境にいる生徒が良いと考えています。

もちろん、その方法を我々教員は一人一人のために探す必要があると考えております。

編集部:どのような家庭のサポートが必要ですか?

エドワード校長:知識を深めるための学習をさせるだけでなく、社会的スキルも学ばせる必要があります。

学校の授業は、しっかり決まったコースを学びます。と同時に生徒たちの創造力をなくさずに、創造力をしっかり身につけさせるということの両立が難しいと感じております。

そのためには、生徒一人一人の個性を認識して、強みの分野を強化する。
一人一人の強みの分野を強化するということが大事だと考えています。

ほとんどの生徒がですね、最低一つ以上強みとする分野があります。
それをしっかりとまずは認識することです。

例えばですね、当校の高校生の生徒で一人英語がすごく苦手な子がいるのですが、絵を描くことがすごく得意としています。

絵を描きながら英語力を強化する方法はないのか、ということを考えております。難しいところではありますが、そのようなことを考えております。

編集部:一人一人のことを大切にする思いが伝わってきます。

エドワード校長:すべての学校がそのようなことができるとは言えないのですが、本校は一人一人をしっかりと見ることを大事にしていきたいと思います。

編集部:エドワード校長には、10人のお孫さんがいらっしゃるとお聞きしました。

エドワード校長:孫たちはアメリカに住んでおりなかなか会うことができないのが残念ですが、今は生徒たちが私の孫です笑。

生徒たちのことを考えるときにはしっかり校長、そしておじいちゃんとして生徒、孫に接しています。

編集部:エドワード校長先生、おじいちゃんエピソードがすごいほっこりします笑。お忙しいところありがとうございました。

1*(旧名称リトルエンジェルス ・インターナショナルスクール)

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Musashi International School Tokyo
ムサシインターナショナルスクールトウキョウ
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