イーロン・マスクがAIの進化により外国語が必要ないと言ってもインターナショナルスクールが増える理由

英語翻訳を含む言語翻訳がAIで高機能化が進むのに、なぜインターナショナルスクールは、世界で増え続けるのか?

イーロン・マスク氏は、1月31日に登壇したclubhouseで子どもたちは「主にYouTubeとRedditで教育を受けてきた」 と答えました。

またマスク氏は、教育は「できるだけ面白くて、ワクワクするもの」であるべきだ、とも答えています。

マスク氏は、同社に勤務する家庭向けにマスク氏が設立した学校「アド・アストラ(Ad Astra)」を開校しています。

アド・アストラのカリキュラムは、AIやコーディング、応用科学に重きを置いていますが、外国語の習得は、AIによって必要なくなるとしています。

また、マスク氏がディレクターを務める「Synthesis」は、英語ですがプログラムを体験できます。

▽ Synthesisの公式Youtubeより引用。

その一方で、インターナショナルスクールは、日本だけではなく、世界的に増加しています。

大きく分けると2つの理由があります。

1.新興国でインターが増えている

2.駐在員のための教育機関から、地元から通うインターナショナルスクールのニーズが拡大

なぜインターナショナルスクールが増えるのか?

インターナショナルスクールに子供を通わせている保護者は、AIの発達によって言語の翻訳や通訳の質は上がり、利用料は、安価になってくると考えています。

しかし、翻訳できるのは、言語のわずか30%です。

言語は、2つに分かれます。
1.バーバル・コミュニケーション:話す、聞くという
2.ノンバーバル・コミュニケーション:声のトーン、表情、声の大きさ、タイミングなど

声のトーン、表情、声の大きさ、タイミングなどが、言語コミュニケーションの70%を占めます。

すなわちAI通訳、翻訳が補うことができるのは、30%が限界です。
70%は、その人の表情や態度、声色などに左右されます。

すなわちAIが発達してもコミュニケーション全体の言語で伝わる30%しか補えないのです。

AIの通訳も、ウェラブルや眼鏡のようなグラス型は、電源またはバッテリーを必要とします。
そこも物理的な難点です。

初心者の英語力補助はできるでしょうが、ディスカッションレベルで微妙なニュアンスを伝えるまで性能が高まるまで、まだ時間がかかると考えられます。

人間関係の構築

技術がどんなに進歩しても、基本は人とコミニケーションによって人脈が信頼とともに築かれます。

新興国を含めインターナショナルスクールの増加は、学業だけではなく、人脈と学歴を作るのが目的です。

また、多様な友人とコミュニケーションし、幼小中高から人を信頼し、協力して一つのことを成し遂げ、様々なジレンマを抱えながら共同することは実社会に出ても必要です。

多様な人脈を作ることで、技術革新によって社会が大きく変化しても、変革を促す側の人脈を持ち続けている限り有利なポジションに立つことができます。

これまでの教育の歴史を振り返ると貴族や宗教家が学んでいた哲学、ラテン語と神学、数学から、医学、理工、文学など幅広い教育が学べる社会に広がっています。

日本では、大学進学率が60%を超えているように、教育は技術革新と社会の変化に合わせてコストダウンが起きています。

AIによる反復型学習のオートメーション化は、これまでの暗記型教育のコストダウンを進め、共同して問題解決志向型で物事を考えられる人材を育てていくニーズに変化していくと考えられます。

すなわち21世紀の教育には、AIによる技術進化により、新たに付加価値をつけることが必要となりました。

今後、暗記型教育はAIがゲーム感覚で子供たちに基礎知識を習得させていき、AIを含めた技術進化でインターナショナルスクールは、多様な価値観が混在した教育機関として多様なコミュニケーション能力が習得できる教育機関として存在を増していくでしょう。

直に多様な先生と触れ合い多様なノンバーバルコミニケーションを強化していくインターナショナルスクールは、さらに多様な生徒構成、教員構成が付加価値の源泉となりそうです。

編集長 村田 学
eduJUMP!創刊編集長 元インターナショナルスクール経営者で、国際バカロレアの教員研修を修了。 日本初のインターナショナルスクール専門メディアの創刊編集長を務めた後、eduJUMP!創刊に伴い編集長に就任。 【エピソード】 人生初めての学校である幼稚園をわずか2日半で退学になった「爆速退学」経験者。 「幼稚園退学」により、3歳から孤独な国際教育評論家として教育について考え始める。 日本帰国後も、帰国生として日本の教育制度に馴染めず、さらに孤独な国際教育評論家としてアメリカ、日本を比較し、考え続けてきた。 【取材協力】 TV、ラジオなどにも出演し、新聞のインタビュー、雑誌などにも寄稿している。各メディアの取材協力も数多く手掛けている。
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