連載3: 幼少期に身につけるべき、たったひとつの大切な要素

1.学力と自己肯定感・幸福度の逆相関

 

「子供の教育は、過去の価値の伝達にはなく、未来の新しい価値の創造にある」 ジョン・デューイ

 

PISA(Programme for International Student Assessment)という、OECD(経済協力開発機構)が2000年から継続して実施している国際学力調査があります。

 

PISAでは、義務教育が終了する15歳の時点で、それまで学習してきた内容を、実生活の課題に応用できるかを測ります。調査対象は読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野。この定点観測によれば、日本は義務教育段階まではそれほど悪くはなく、子どもたちも比較的しっかり学んでいるといえそうな、上位にいます。

 

一方「幸福度(well-being)」を見てみると、高校1年生の生活満足度はOECD平均より低く、72か国中68位と、はっきり言ってかなり低い順位となっています。

 

「平成26年版 子ども・若者白書(内閣府)によれば、自分自身に満足している割合が、比較対象6カ国(米国・イギリス・フランス・ドイツ・スウェーデン・韓国)において概ね70-80%台であるのに対し、日本の若者は45.8%と圧倒的に低い、という結果が出ています。

 

まとめると日本の若者は他国比しっかりと学んでいるのに、自己肯定感が低く、幸せを感じておらず、自分に誇りを持てていないのです。

 

ちなみに教育熱心な東京都のある区部でも、小学生をみた場合、「学力は日本の平均よりも高いのに、自己肯定感は低い」というデータがあります。

 

日本自体は、少子高齢化・人口減少によりゆるやかな衰退をたどる可能性があり、国レベルではあまり明るい未来は待っていません。

 

したがって今まで以上に、国の未来に関わらず一人一人の子どもたちが、自分の人生のリーダーとなり、幸福を感じられ自己実現できる人生を送る準備をする必要があるでしょう。

 

その観点からすると、すでに10代の時点で幸福度が低く自己肯定感が低い現状は、好ましい状況ではありません。

 

子どもたちが「自らの人生の舵をとれる」人生を過ごせるためにどのような要素が必要か、次章でもう一つの例をあげて考えてみます。

ムサシインター 宇野令一郎
慶應大学卒業後、東京銀行に勤務。その後、カナダMcGill大学経営大学院MBAを取得。帰国後、大学設置事務局長を務める。東京のケンブリッジ国際認定校及び国際バカロレア認定校のインターナショナルスクールを経営。熊本大学大学院の教授システム学の講師も務める。
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