連載2: 「生涯学び続ける力」の育て方

2. 学習意欲の動機づけを理論的に見ると

 

以下、やや専門的ですが、教育現場だけでなく、家庭の子育てにも使えそうな学習動機付け理論である、ARCSモデルについて紹介します。

 

ARCS(アークス)動機づけモデルとは、J.M.ケラー教授が開発した、学習意欲を高めるための授業設計モデルで、以下の4段階からなるモデルです。

 

Attention(注意):「面白そうだな!」と感じさせる

 

 - 何かありそうだ、と学び始めるきっかけを子どもに提示する。

 - 例えば、学習させたい内容に関連した好奇心をくすぐるストーリー・写真・絵本や、サプライズのあるアクティビティ・質問からはじめる。

 

Relevance(関連):「自分の興味と関係ありそうだな!」と感じさせる

 

 - 自分の関心領域とのかかわりに気づき、やりがいがありそうだ、と感じる。

 - たとえば、レゴ好きの子どもであればレゴを活用した教材の活用や、子どもが既に知っていることと学習課題(未知)のを結びつけるなど。

 

Confidence(自信):「できた!」と感じさせる

 

 - 課題が達成可能で、小さな成功体験を重ね、「やればできる」と感じる。

 - 単純にできればやさしければよいわけではなくよいわけではなく、教えることなくチャレンジングなことについて知的工夫を重ねさせながら、自力でやり遂げさせる。

 

Satisfaction(満足):「楽しかった、またやりたい!」と感じさせる

 

 - 内的・外的報奨により達成感を強化し、次の学習意欲につなげる。

 

このような学びのきっかけ(注意)から自信・満足までのプロセスをあらゆる学びで繰り返すことで、学びの意欲は向上し続けます。

 

学習者中心の教育を設計したい教育者だけでなく、家庭学習を実践したい親にとってもシンプルで使いやすい実践的なモデルであるといえそうです。

 

なおARCSは大人・も子どもを問わずも適用可能なモデルですが、本連載の対象である子どもの教育については、前半の「Attention」「Relevance」の重要キーワードとして「好奇心」、後半の次の学びにつなげるきっかけ「Confidence」「Satisfaction」にはでの重要キーワードとして「自己効力感」が重要な要素となります。

 

この「好奇心」と「自己効力感」について、少しお話しします。

ムサシインター 宇野令一郎
ムサシインター 宇野令一郎
慶應大学卒業後、東京銀行に勤務。その後、カナダMcGill大学経営大学院MBAを取得。帰国後、大学設置事務局長を務める。東京のケンブリッジ国際認定校及び国際バカロレア認定校のインターナショナルスクールを経営。熊本大学大学院の教授システム学の講師も務める。
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