教育移住するならどの国?!〜マレーシア編〜

インターナショナルスクール(以下、インター)に子供を通わせたいご家族にとって、選択肢は国内だけではありません。最近では、近隣のアジア諸国にある人気のインターに入学するため、教育移住するご家族もあります。今回は、マレーシアで教育移住をサポートする留学エージェントのルシュエット代表 中村妙子さんにお話を伺いました。


ルシュエット代表 中村妙子 氏
青山学院大学大学院卒、MBA取得。2013年マレーシア・クアラルンプールへ移住。2017年、インターやナーサリー・大学・大学院・語学学校の入学サポートなど移住に関する総合サービスを提供するルシュエットを設立。モントキアラにて語学学校も運営。20年の起業経験を活かし、日本とマレーシアを繋げるビジネスコンサルティングなども行っている。一般社団法人Himemama KL代表として200名の女性コミュニティを運営するなど多方面で活躍。一児の母。著書3冊。


150校以上もあるインターの中から、学校選びをサポート

-なぜマレーシアで教育移住をサポートする仕事を始めたのですか?
私がマレーシアに移住した時は、子供がまだおらず、日本とマレーシアの両方で会社経営をしていたので仕事も忙しく、マレーシアをベースにした暮らしや人生については、深く調べていませんでした。

出産をきっかけに、改めてマレーシアでの生活や子供の将来について考えるようになり、子供が通う学校としてインターを調べ始めたところ、マレーシアには150校以上のインターがあることが分かりました。

ただでさえインターの数が多いのに、学校によってはホームページが全く更新されていなかったり、担当者によって言うことが異なったりと、情報がきちんと整理されておらず、調べれば調べるほど、一体どのインターが我が子にとって良いのか分からなくなりました。

しかし、数々のインターを実際に見学し、深く調べていく中で、マレーシアにも素晴らしいインターが沢山あることがわかりました。それと同時に、きちんと情報収集をしないと間違った情報を信じてしまい、学校選びに失敗してしまうのではと感じました

子供の学校選びは人生を大きく左右する重要な選択なので「このままではいけない」と思い、最初はボランティアでマレーシアのインターや語学学校の紹介を始めたところ、沢山の方からご依頼があり、留学エージェントとしての仕事を始めるきっかけとなりました。

-マレーシアのインターの特徴はありますか?
マレーシアはかつてイギリスの植民地だった歴史があるため、現在も8割以上のインターがイギリス系のカリキュラム(ケンブリッジ国際)を採用しています。その他には、アメリカ、オーストラリア、カナダ、IB(国際バカロレア)などがあります。

このように多様なインターがある中で、教育移住をご検討されるご家族からどのように学校を選べば良いのか沢山ご質問をいただきますが、下記のようなポイントをお伝えしています。

< 学校選びのポイント >

・ご予算(年間授業料は、60〜350万円と学校によってかなりの幅があります)
・入学難易度
・英語が苦手な生徒へのフォローアップ体制
・学校の進学サポート及び進学実績
・先生の資格や経験
・先生や生徒の英語ネイティブ比率
・日本人の生徒の比率及び受け入れ体制
・エリア(学校を中心に住まいを考えるのか、住まいを中心に学校を考えるのか)
・施設の充実度

 

新型コロナの水際対策が緩和され、今後は教育移住者が増えていく

-年間何組の教育移住者がいるのでしょうか?
これまで年間数百組のご家族のマレーシア教育移住をサポートしてきました。

しかし、新型コロナウイルスが始まってから過去2年間、ロックダウンによりマレーシアヘの入国が制限されていたため、教育移住をされる方はほぼゼロの状態でした。

今では、マレーシアは新型コロナの水際対策が緩和され、自由に入国できるようになったため、沢山のお問合せやお申込みをいただいており、今後はもっと増えていくと思います。

-どのようなご家族が教育移住しますか?
マレーシアに教育移住される方は、大きく分けて次の3つに分かれます。

①ご家族みんなで移住
リモートワークが進んだIT会社にお勤めの方や会社経営者など柔軟な働き方ができる方がメインです。

②母子(父子)留学
お母さん(またはお父さん)が子供と一緒に移住するケースで、最近とても増えています。インターでしっかりと英語や中国語(スペイン語やフランス語も選択可)をマスターし、帰国生入試で日本に戻ったり、そのまま海外大学へ進学を希望される方も多くいます。
※帰国生入試を希望される場合、学校によって帰国生要件が異なるので、事前にご希望の学校に帰国生要件をお問い合わせください。

③子供の単身留学
10歳以上の子供が単身でマレーシアに来て、寮付きのボーディングスクールや語学学校に入学するケース。お子様の自立心が養われる印象があります。

-人気の高いマレーシアの代表的なインターは?
日本人に人気のインター4校をご紹介します。

Garden International School(ガーデンインターナショナルスクール)

image優秀校の1つとして非常に人気の高い学校です。イギリス式のカリキュラムを採用しています。
キャンパスはクアラルンプールにある高級住宅街のモントキアラにあり、徒歩通学もできる立地です。

70年の歴史がある伝統校で、ほとんどの先生が英語を第一言語にする先生です。生徒の国籍は60カ国以上といわれており、世界トップ大学への入学者も多い学校です。クラブ活動は200以上の中から選ぶことができるなど、質の高い教育の提供に力を入れているインターです。

EPSOM College in Malaysia(エプソムカレッジ・イン・マレーシア)

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イギリスにある本校は、約160年もの歴史がある全寮制のボーディングスクールで、元々は医者の子息を教育するために1855年に設立されました。

マレーシアのエプソムカレッジの創設者であるトニー・フェルナンデス氏は、マレーシア企業であるエア・アジアのCEOで、イギリス本校の卒業生でもあります。彼の「エプソム本校の素晴らしい教育環境を、マレーシアへ」という熱意が通じて、2014年9月にマレーシアにも開校しました。

本校の子どもたちの多彩な才能を伸ばしていく校風は、マレーシアのエプソムカレッジにも受け継がれ、イギリス本校と同じ教育がマレーシアでも受けられると非常に評判が高いです。

マレーシアのエプソンカレッジは全寮制ではありませんが、全校生徒の約半数以上がボーディング生として、学校内にある寮に滞在しながら勉学に励んでいます。

IGB International School(アイ・ジー・ビー・インターナショナルスクール)

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IBカリキュラムを採用するIB認定校として有名で、略称IGBISとも呼ばれています。マレーシアのインターでは、英国式カリキュラムと併用してIBカリキュラムを導入している学校も多い中、IGBISでは、幼稚園から高校生・大学準備コースまで一貫でIBカリキュラムで学ぶことができます。

広大な敷地に位置するIGBISは、50メートルの大きなスイミングプールや、競技場のようなグラウンド、体育館など施設が非常に充実しており、IBカリキュラムをフルに活かせる最先端の環境が整っています。モントキアラから車で30分以内の距離にあるため、スクールバスや車で通学する場合でも便利な立地です。

Peninsula International School Australia(ペニンシュラ・インターナショナルスクール・オーストラリア)

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VCE(Victoria Certificate Education:ヴィクトリア・サーティフィケート・エデュケーション)というオーストラリアの教育カリキュラムを採用しているインターで、略称PISAとも呼ばれています。

マレーシアのペニンシュラは、2018年1月に設立された比較的新しい学校ですが、オーストラリアのメルボルンにある本校は、約60年もの歴史がある伝統的な優秀校として有名です。

定期的にオーストラリアの本校から、校長先生や教師陣が分校であるクアラルンプールのペニンシュラを訪問し、本校が求めるクオリティで学校運営を行っているかどうかのチェックや、教師とスタッフに対するトレーニングが開催されています。

自由な校風として知られるオーストラリアカリキュラムですが、ペニンシュラは自由な校風と勤勉さを両立させたような雰囲気を持ち合せており、人気校の1つです。

今回ご紹介したインター以外にも人気の学校は沢山あります。お子様の年齢や英語力、将来の夢や目標なども合わせてお聞きすることで、数多ある学校の中からお子様に合った学校選びが可能となります。そのためにも丁寧なカウンセリングは欠かせません。

-マレーシアのインターの難易度は?
マレーシアのインターの入学難易度は学校によって大きく異なります。年齢にもよりますが、一般的には年齢が上がるにつれて、受験時に求められる英語力も高くなります。

特に高い英語力が求められる学校の場合、受験前の対策レッスンや英語力を強化するために語学学校に通うことも検討が必要です。

一方で、英語力が不安なお子様でも入学できるインターもあります。
英語力に不安を覚えるお子様は、まずは入学時の英語レベルに寛容な学校へ入学し、最初の1〜2年は学校での英語サポートクラスを受講したり、放課後や長期休暇中に語学学校などで英語力を強化することも可能です。

英語が上達した頃に難関校に転校される方も多いです。

多言語・多文化の魅力に触れて、可能性を広げて欲しい

-教育移住をするならいつが良いですか?
保護者の中には、子供が小さい頃に教育移住をすると、日本語の習得が遅れてしまうので、小学校高学年までは日本で学習の基盤を築いてから、マレーシアに教育移住したいという方も多くいます。

しかし、マレーシアにも公文や学研など日本語で通える習い事もあり、日本の同級生に引けを取らない学習進度で進めることができます。

また、小さい頃から教育移住するメリットとして、多言語習得へのハードルの低さがあります。マレーシアのインターは、基本的に英語での授業となりますが、それ以外にも中国語やマレー語、スペイン語やフランス語など、様々な言語を小さな頃から学べるため、5カ国語が話せるようになることも夢ではありません。

お子様の脳が柔軟な時期ほど適応能力が高く、色々な言語を同時に学べる環境を作ることで多言語習得のチャンスが広がります。

-教育移住のその先は?
マレーシアに駐在されているご家族の場合、数年後に日本へ帰国されることを前提にお子様の学習を組み立てられ、日本のインターや帰国子女を受け入れている私立校へ入学される事が多いですが、最近ではお子様だけマレーシアのインターに残り、寮生活をされる方も増えています。

本格的にマレーシアで教育移住されるご家族の場合、インター卒業後は世界中の大学を受験される事が多いです。ご相談に来られるご家族の割合でいうと、8割が海外進学、2割が日本での進学を希望されている印象です。

-マレーシアで習い事するには?
モントキアラは外国人が多く住むエリアで、お子様の習い事も沢山あり、日本食も気軽に食べられる人気の高級住宅街です。

モントキアラ内には、公文や学研、水泳、バレエ、サッカー、ドラム、バイオリン、歌、アート、K-POPダンス、ヒップホップダンス、プログラミング、習字やそろばん等、さまざま集まっており、日本人の先生も多いため、日本語を強化するにもとても良いエリアとなります。

また、インターでも毎日様々なクラブ活動から選択できるため、小さな頃から多くの経験ができます。

-マレーシアに教育移住する魅力とは?

①物価の安さ
住環境や食事、タクシー代など、日本と比べて安いです。
エリアにもよりますが、ご家族で家具付きの100平米以上のコンドミニアムに10万円以下で住む事も可能です。コンドミニアム内にはプール、ジム、バスケットコート、スカッシュ、テニスコート、BBQ、コンビニなどの施設も充実しています。
タクシーも初料金が約180円ほどで気軽に乗ることが可能です。

eduJUMP! 編集部
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