●SATやACTでは、スコア・チョイス(受験生側で提出するスコアを選べる制度)が導入されてはいるが、過去に受験した全てのスコアの提出を求め、各セクションの最高点で評価する大学が多い。
●通常出願の場合、高3生は、できれば年内の受験で高得点を取り、他の出願書類とともに提出しておきたい。
●TOEFLでは、iBT(Internet-based Test)で最低100点を要求する大学が散見されるので、早めにこれを超えるよう対策を立てたい。
テストスコア、受験書類の目安
世界の大学を受験するには、様々な書類の提出を求められることが多いです。特に世界トップの大学を目指す場合には、できるだけ全ての書類で良い評価を得る必要があります。
自分の力で努力ができる課外活動、受賞歴、成績、エッセイ、テストスコアは計画をたてしっかりと準備をしていきましょう。
特に学校の成績は重要であるため、日々の学校の学習や中間や期末テストは、しっかりと高得点を取って欲しいと思っています。
オンライン願書 | 成績証明書 | 提出資料 | テストスコア | ||||||
課外活動 | 受賞歴 | GPA | IB
Points |
エッセイ / 志望理由 | 推薦状 | TOEFL
iBT |
IELTS | SAT / ACT | |
Top
Prestigious University |
◎ | ◎ | 4.5~5.0 | 43+ | ◎ | ◎ | 110+ | 8.0+ | 90%+ |
Top University | ◎ | ◎ | 4.0~4.5 | 30+ | ◎ | ◎ | 100+ | 6.5~7.0 | 80%+ |
University | ◯ | ◯ | 3.5~4.0 | 25+ | ◯ | ◯ | 90+ | 6.0~6.5 | – |
Foundation Course
Community College etc. |
△ | △ | 3.0~4.0 | △ | △ | 60~80+ | 5.0~6.0 | – |
※上記スコアはあくまで目安です。海外大学は、提出書類に基づき総合評価を行います。
※◎とても重視する、◯重視する、△あまり重視しない
課外活動をアピールする
米国大学のCommon Application等の共通願書には、中学3年生から高校3年生(9年生から12年生)の出願時点までの課外活動に関する受賞歴を記載する欄があります(10個まで記載可能)。これを全て埋めなければトップ大学に合格することはできない、ということでは決してありません。
多くの願書が届く中で、少しでも自分をアピールするのに大切なことは、活動の数や量もさることながら「質」だと考えています。質の高い活動歴がたくさんあればあるほど、入学審査官の目に止まりやすいです。ここでは、願書に見られる課外活動の代表的なタイプと例をまとめているので参考にしてください。
特に活動例はここに挙げた以外にも、中高生が参加できるものが多々あるので調べてみてください。
タイプ/共通願書の英語表記 | 例 |
高校の組織活動(部活動は除く)/School Spirit | 生徒会、委員会、クラス、校内イベント(文化祭等)での活動など。※ 校内の運動部やクラブでの活動は、次のAthleticsに含む。 |
運動クラブ/Athletics: Club | 運動部や運動クラブでの活動。
※ Varsityはレギュラー、JV(Junior Varsity)は準レギュラーの意。 |
アカデミック/Academic | 数学、理科(4科目)、地理、哲学、言語学等の学問レベルを競う各種オリンピックや模擬国連、エッセイコンテストなどアカデミックな大会等への出場歴。サマースクールやキャンプ等への参加も含む。※ 大会での入賞歴は、Honors(次ページ参照)の欄に書くのが一般的。 |
科学、数学/Science, Math | 科学や数学系のクラブ、キャンプやプログラムへの参加、大学等での研究活動など。 |
外国語/Foreign Language | 校内でのESS活動、外国語学習歴など。 |
海外交流/Foreign Exchange | 海外交流イベント・プログラムへの参加、運営など。 |
ディベート、スピーチ/Debate, Speech | ディベート大会、スピーチ・コンテストへの参加など。
※ Academicの模擬国連はこちらに記載しても可。 |
コミュニティ活動(ボランティア)/
Community Service (Volunteer) |
各種ボランティア活動(NPO等でのボランティアも可)。
※ 将来の職業に関連するボランティア活動はCareer Orientedの項に記載するほうがよい。 |
キャリア志向/Career Oriented | 企業やNPO等でのインターンの経験、活動歴など。 |
ジャーナリズム、出版/Journalism, Publication | 出版物等の記事作成、寄稿、書籍など出版物そのものの作成など。 |
音楽:楽器(演奏)/Music: Instrumental
音楽:歌/Music: Vocal |
楽器の習い事、演奏歴、合唱歴など。 |
美術/Art | 美術に関する活動全般。校内イベントのパンフレット制作(デザイン等も記入可。 |
その他のクラブ、活動/Other Club, Activity | 上記のどの分類にもあてはめにくいものはここに記入する。 |
アカデミックな大会の受賞歴もPRしよう
共通願書などには、課外活動歴と同様に、中学3年生から高校3年生の出願時点までの間に獲得したアカデミックな大会での受賞歴について記載する欄もあります。トップスクール合格に、国際大会や全国大会での受賞が必ずしも求められるわけではないものの、そうした経歴があれば当然、自己PRの材料が増えます。では、名門校への出願者は実際にどのような大会で賞を手にしているのでしょうか。主なタイプと具体例をまとめてみました。
もちろん、ここに挙げた以外にも、中高生が参加できるコンテストやプログラムはたくさんあるので調べてみてください。
タイプ | 例 |
各教科系のオリンピック | 数学オリンピック」「物理オリンピック」など、数学・物理・化学・生物・地学・地理の各教科でそれぞれオリンピックが開催されているほか、哲学・情報オリンピックなどもある(国内上位入賞者は世界大会に出場可)。 |
英語力の比重の高い大会 | 英語ディベート大会(全国高校生英語ディベート大会、Route Hディベート大会ほか)
英語スピーチコンテスト(チャーチル杯、ホノルル市長杯ほか) 模擬国連(高校模擬国連ほか) ※日本語での論文コンクール等での受賞なども記載可。 |
その他のアカデミックな大会 | ビジネスコンテスト、プレゼンテーションコンテスト、複数のスキルをすべて英語で競う大会(World Scholar’s Cupほか)など。 |
国際会議
国際交流プログラム |
高校生を対象としたアカデミックな国際交流プログラムや国際会議に、国内での選考を経て、日本代表として参加した場合なども記載可。 |
奨学金 | 柳井正財団、孫正義育英財団、笹川平和財団、江副財団、船井財団等の財団系奨学金、グルー・バンクロフト基金の奨学金、JASSOなど、さまざまな機関が支給する選考を伴う奨学金プログラムのほか、一部の自治体が支給する奨学金などもある。 |
どんな環境にいても海外進学を諦めて欲しくない
海外大学を目指すということは、例えば、米国の名門私立大学であれば、寮費込みで年間600~800万円近い授業料を支払える家庭、つまり富裕層のみに許された特権のように思われていますが、実はそうではありません。
近年、海外大学進学において様々な奨学金が設けられています。Scholarshipという優秀な学生に給付される返済不要の奨学金や、Financial Aidと呼ばれる家庭の収入に応じて学費の補助を行うものもあります。
資金力のあるアメリカの私立の大学は、優秀な学生には奨学金を多く出してくれることで有名です。しかし、当然ながら奨学金を取得するのは簡単なことではありません。
奨学金は、「返済する奨学金」と「返済不要の給付型奨学金」に分けることができます。「返済する奨学金とは、金融機関、日本学生支援機構、日本政策金融公庫などから教育ローンを組む形で利子をつけて分割払いで返済をしていくもの。
「返済不要の給付型奨学金」は下記の3つに分類されます。
- 国、都道府県、市区町村が給付するScholarship
- 企業、財団が給付するScholarship
- 大学が給付するScholarshipとFinancial Aid
- Scholarship取得をするために必要なこととは
一番大切なことは、その大学に入りたいというパッションです。審査の基準には、学校の成績、英語力、課外活動なども入ってきます。しっかりとした志望理由、将来のポテンシャルなどがチェックされます。
奨学金の例(2021年度実績)
- 柳井正財団海外奨学金
米国トップレベルの教育機関への進学を志す日本人学生を対象に、学部4年間の授業料、教材費、保険料、寮費等、就学のために大学より請求される費用を、年間7万ドルを上限に支給(20名程度)
https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/
- 江副記念財団奨学金(学術部門)
海外の大学・大学院等への進学希望者を対象に、年額上限1,000万円支給(10名程度)
https://www.recruit-foundation.org/scholarship/
- Funai Overseas Scholarship(学部留学)
海外の大学で学位取得を目指す日本人留学生に対し、年間3万ドルを最長で学部留学中の4年間支給(若干名)
https://www.funaifoundation.jp/scholarship/scholarship_guidelines_bachelor.html
- 孫正義育英財団奨学金
高い志と異能を持つ若者への支援を目的に、留学・研究等において生じる学費や生活費を支給する。支援内容、金額、給付期間は選考過程で個別に決定する。(30名程度)
https://masason-foundation.org/requirements/
Route Hでは、どんな家庭環境にいる生徒でも、海外大学進学の道を諦めて欲しくないので、このような奨学金対策にも力を入れています。
実際に、これまで海外大学進学者が一人もいなかったような地方の高校に通う生徒にも、オンラインや時には直接出向いて授業を提供しています。どんな環境にいても海外進学を諦めて欲しくはないと考えているのです。
Route Hは、ベネッセの海外進学のトップブランドなので、フラッグシップであり続けることが重要です。よって、授業料も一般的な英語塾と大差がないほどにしています。
また、ここまでの説明で、Route Hはトップ・オブ・ザ・トップの海外大学に向けた対策が中心ではありますが、生徒のタイプや目標次第では、アメリカやイギリスにあるトップ大学以外の併願先として、カナダ、シンガポール、オーストラリアやそれ以外の国などにある授業料や寮費の安い大学を薦めることもあります。
そして、中高生対象のサービスではありますが、卒業生の中には、国内大学に入り、交換留学でイェール大学やブラウン大学等の授業を受ける生徒もいます。社会人MBAや国費留学、大学院留学でも良いと考えています。実際、Route Hの卒業生が、海外トップ大学を卒業後、大学院に進学する例も増えています。
編集部まとめ
海外大学の受験は、いわゆる一発勝負のペーパーテストではなく、一生役に立つような自己研鑽、自己PR、そして強固な英語力の基盤が求められているようです。