授業料が高い理由を徹底分析!〜インターナショナルスクール術

お子さんが生まれると、一度は「インターナショナルスクールに通わせてみたい!」と考えませんか?

ニュースや週刊誌で、芸能人や著名人がお子さんをインターナショナルスクールに通わせている記事を観たことがある方も多いでしょう。
また、インターナショナルスクールのホームページを見て、想像以上の高い学費に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

そこで、ie NEXT編集部は、インターナショナルスクールの授業料が高い理由を分析してみました。

インターナショナルスクールの学費が高い理由

インターナショナルスクールの学費が高い理由として、次の5つが挙げられます。

  1. 少人数制
  2. 教員のコスト
  3. 探究的なカリキュラム
  4. 多国籍な生徒の獲得
  5. 税制面での優遇や補助金
  6. 保護者の心理的納得度

国内のインターナショナルスクールの授業料は、年間約250万円前後です。

インターナショナルスクールが教育機関として高レベルで安定した教育を実施するために、授業料収入・質の良い教員と施設をどのレベルで維持していくのか。

それが授業料に反映されています。

良い教育とは・・・

・多様な生徒構成に対する少人数制教育
・優秀な教員と教育理念に合わせたカリキュラム

など、様々な要因がインターナショナルスクールの教育に不可欠です。

特に少人数制で探究的なカリキュラムは、インターナショナルスクールの教育の本質とも言えます。

インターナショナルスクールの授業料が高い理由とは?
インターナショナルスクールは、少人数制で探究型。

多くのインターナショナルスクールでは、学年や科目にもよりますが1クラス約16名~20名前後に設定しています。しかし、これはあくまでも定員。

学年や科目によっては、さらに少数のグループに分けています。

世界経済とインターナショナルスクールの授業料の関係

インターナショナルスクールは、海外転勤族の子弟の教育機関であるため、世界経済の影響を受けやすくなります。

インターナショナルスクールの授業料と運営費用を分析してみると、約20年に一度の世界的経済危機や自然災害などのリスクに対応できるだけの財政基盤が必要です。

過去の例では、1990年のバブル崩壊、1997年のアジア通貨危機、1998年のロシア通貨危機、2008年リーマンショック、2011年東日本大震災、2020年コロナなどが挙げられます。

特に世界的な経済危機は、世界から生徒が集まるインターナショナルスクールを直撃してしまいます。

インターナショナルスクールの授業料が高い理由とは?
インターナショナルスクールは、図書館やIT関係も強いのが特徴です。

日本は災害が多く、地震などが起きると海外からの駐在員は自国に戻ってしまいます。
東日本大震災では、生徒の3分の1以上が帰国しました。
インターナショナルスクールは、20年に一度のリスクに持ちこたえる財務基盤を準備しています。

少人数制

少人数制の理由は、多国籍な生徒構成と関係しています。
世界中から集まってくる生徒が同じ学力・同じ理解度ということはありません。

例えばブラジルから日本に来た生徒は、日常で使用していた言語も変わりますし、学習習熟度も違います。

世界中から集まった生徒を一定のレベルまたはそれ以上に引き上げるために、通常の授業だけではなく、習熟度別の授業、グループ別、取り出し授業、さらに放課後のチューターなどさまざまな手法を用いるのです。

インターナショナルスクールは、工芸などアートも豊富な科目選択ができるのも魅力です。

代表的なカリキュラムである「国際バカロレア」のような探究的な学びは、自分で考え、答えを導き出すため、暗記型の答えが求められていません。

世界中から生徒が入学してくるインターナショナルスクール

インターナショナルスクールの生徒構成は、世界中から来る生徒を想定しています。
経済的な不況や災害のリスクによって、生徒が安定して入ってこないいこともあります。

近年は、アジアで駐在員は香港、シンガポール、バンコクに集まりやすく、日本を希望しないケースも増えています。

シンガポールは、名門インターナショナルスクールがあり、交通の要所で、安全・衛生で世界から富裕層が集まります。

外資系企業の動きを見ながら、学校側は定員割れの状況も想定し、運営しています。
そのほかに、一年間を通じて国際移動性の高い生徒のために席を確保していることもあります。
学校の創立時の由来で特定の国や文化圏の生徒向けの席を意図的に確保しているスクールもあります。

また、世界経済の影響が最も早く反映されるのも特徴といえます。

例えば、2008年のリーマンショック。

当時、国際転勤族の中心は金融機関でした。
そのため、金融機関系の駐在員の多くが帰国し、大きな影響がありました。

過去の世界経済危機からも、インターナショナルスクールの運営は良い教育(教員面・施設面)とコストのバランスを取っています。

安定的な経営には、「海外転勤族」だけではなく、日本に永住している外国人子弟もキーポイントになります。

世界から良い教員を採用

インターナショナルスクールの教員は、給料、その時の為替や住居費、渡航費など様々なオファー条件を整え、世界中から優秀な教員を採用します。

ここにインターナショナルスクール経営のジレンマがあります。

教育の質の保証するため、教員へ素晴らしいオファーは運営コストに反映されます。
インターナショナルスクール経営において、授業料と人件費のバランスを取るのは、経営側にとってジレンマです。

世界から優種な先生が集まるインターナショナルスクール業界
インターナショナルスクール業界では、転職もグローバル。できる先生は、世界の名門校をキャリアアップしていきます。


世界水準の教育が求められる反面、世界水準の教員の人件費と限られた授業料というジレンマに陥るのです。

同時に、学校側は数十年に何度かの世界的な経済危機を視野に入れながら、国際移動性の高い生徒の移動も予測します。

生徒の移動性を想定した空席を作り、逆に世界の経済危機や自然災害では定員割れが起こることを織り込んで運営をしてきます。
いわゆる守りの経営が必須になります。

そのため、世界経済が良くなってもすぐに教員や施設面で増強が難しく、定員がいっぱいになるケースが多いのもインターナショナルスクールの特徴です。

世界経済の景気が影響するインターナショナルスクールの経営

運営側は、生徒の増減に対応しつつ、学校施設や教員など年間を通して保証します。
それに対し、プラスアルファの部分で年度内に出費が重なる時は保護者の協力を募ります。

会計的にみると固定費が高く、変動費が生徒数によって大きく変わる仕組みです。

保護者も生徒の増減にかかわらず教育の質を保つ学校側に対し、寄附をします。

日本のように少子化、アジア地域でのプレゼンスの低下がある中でインターナショナルスクールを運営するのは正直、とても厳しいのが現状です。

海外転勤族のために設立された教育機関

インターナショナルスクールは、国際転勤族のために設立された教育機関です。

そのため外国籍の生徒が大半となり、日本人は少数です。

日本国民は教育の義務がありますので、一条校と言われる教育基本法に準じた学校に通う子どもがほとんどです。
また、インターナショナルスクールは文部科学省の学習指導要領と学習内容がまったく違います。

国の定めた教育を実施しない教育機関に税金を投入する根拠は低く、実際にインターナショナルスクールは、ほぼ補助金が出ていません。
こうした理由があるため、日本の学校より授業料が高くなるのです。

世界景気の影響を受け、探究的な少人数制の質の高い授業を実施すればするほどインターナショナルスクールの経営は必然的に厳しくなります。

しかし近年、日本の国際教育に新たな動きがあります。

それが、一条校の動きです。

インターナショナルスクールに新たな光が一条校のインターナショナルスクールです。

同時に特区を活用した国際教育も根付いてきました。
一条校が運営するインターナショナルスクールが着実に増えてきています。

日本の学校が運営するインターナショナルスクール

日本の一条校が運営するインターナショナルスクールで有名なものとしては、千葉県幕張市にある幕張インターナショナルスクールや沖縄県うるま市にある沖縄アミークスインターナショナル幼稚園・小学校・中学校などがあります。
特区を活用した国際教育の取り組みは、ユニークです。

近年では、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢のように一条校でありながら、外国人生徒と日本人が学ぶインターナショナルスクールが人気になっています。

歴史的には、一条校とインターナショナルスクールの融合を果たした関西学院千里国際中等部・高等部と大阪インターナショナルスクールのシェアード・プログラム(同じ校舎で学び、授業の乗り入れをしている)が新しい仕組みとして架け橋をつくったケースもあります。

保護者の心理的納得度

「インターナショナルスクールは授業料が高い」という事実。
それを受け入れているのは、実は保護者の心理的納得度が支えています。
「インターナショナルスクールに通わせている」という保護者の心理的な納得度がなければ、高い授業料は成り立ちません。

英語で探究的な学びが決して「トロフィー・スクール」ではないのですが、学びの期待値を持たせます。

インターナショナルスクールで学ぶことで子どもが蓄える学び、友人ネットワーク、将来の進学先、仕事を選べることなど、「期待値」が授業料に含まれています。

現在とこれから

日本の一条校も着実に国際バカロレアに取り組み始めています。

今後、ケンブリッジ国際認定校、国際バカロレア認定校の増加を含め、日本で国際教育に取り組む学校やスクールが増えると考えられます。

まさに今、国際教育の変換点にいるのかもしれませんね。

eduJUMP! 編集部
eduJUMP!は、子どもたちが世界のどこでも誰とでも、共に生きていき、夢を実現できるような教育を紹介するメディアとして設立されました。保護者・子ども自身・教育関係者の3者を対象に、子どもたちの未来を拓くために有用と思える情報を、当ウェブメディアやイベントを通じて提供します。 eduJUMP!を通じ、子どもたちの未来が、少しでも良い方向に”JUMP!”することに寄与できれば幸いです。
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