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【極:国際人】衣川武志さん 
学校という概念や校舎という物理的なものから脱却し、世界中の中高生の研究活動を支えたい!

「国際人」を増やすために尽力している人々をご紹介する【極:国際人】シリーズ。英語力強化プログラム、海外大学進学コンサル、留学費支援の財団法人、インターンシップ提供など「国際人」として第一歩を踏み出す機会を提供する活動にフォーカスしています。海外で学びたい方、グローバルに活動したい方、必読です!

File.1 南 健太さん(Quest Inc.)

学校という概念や校舎という物理的なものから脱却し、世界中の中高生の研究活動を支えたい!

File.2 衣川武志さん(MANAI財団)

海外進学者が限定され、中国の圧倒的な人口増加と経済成長を前にして存在感が希薄になっている日本。そんな日本の教育現場に、国際的に通用するサイエンス人材の供給源となることを目指し、新しい学びを模索する人がいます。

その人の名前は、衣川武志さん。

編集部では、衣川さんのこれまでの取り組みやMANAI財団の活動、今後の展望について伺いました。

衣川武志さん 世界中の中高生の研究活動を支援する団体MANAI Institute of Science and Techonologyの共同創業者。2019年まで通算7回、世界20以上の国と地域から1,000名を超える応募者を集めた中高生向けサイエンス・キャンプを企画運営。参加者の多くは卒業後IVYリーグを始め海外大学への進学を果たしている。2022年度より、中高生と大学を繋ぐキャリア・サポートをテーマとするMIRAIプロジェクトを開始。サイエンスキャンプと海外大学進学者向け無料イベントを企画。ローラス インターナショナルスクール オブ サイエンスのアドバイザー就任。


ISSJからMANAIへ!新しいインターナショナル・サイエンス・ハイスクールを目指して

MANAIの前身となるISSJ(International School of Science Japan)のプロジェクトを2014年末から開始しました。

その数年前に日本で初の一条校のインターナショナルスクールであるISAK(現UWCーISAK)の立ち上げを見ながら、これからの国際人に要求される知性の必要性、そして世界におけるSTEAM教育の興隆と日本の遅れを問題意識に、国際的に通用するサイエンス人材の供給源となることを目指し、新しいインターナショナル・サイエンス・ハイスクールの設立を構想しました。

当時は日本における海外進学者が激減、中国の圧倒的な人口増加と経済成長を前にして存在感が希薄になって来ており、新たな価値を創出し、技術革新を先導する海外で戦える科学人材の発掘と育成を目指していました。

自分達の構想を形にすべく、パイロットモデルとして短期宿泊型のシーズナル・プログラムを2015年から開催しました。初年度から日本だけでなくアジアを中心に高校生が切磋琢磨し、研究成果を発表する刺激的な場を設ける事で多くのメディアにも多く取り上げられました。(過去7回実施、18の国と地域から約200名の生徒が参加し、参加者の多数が海外大学への進学を果たしています。)

ご承知の通り、特にサイエンス研究では論文を読んだり共同研究を行なうために英語は必須スキルです。英語を学ぶのではなく、英語で学ぶことが語学のみならず、知識面での実力を涵養する為にも非常に有効な手段となります。

また、日々の研究について研究者と議論していくための会話とコミュニケーションの実践を通じて他者との違いを認め、新しい価値観を取り入れることができる真の国際人として成長していける効果も得られると考えています。

学校という概念や校舎という物理的なものからの脱却

5年に渡り上記プログラムを提供しながら、ノウハウを蓄積しアカデミアのネットワークを構築しました。

協力頂いた研究者・教授陣やサポーターのご意見を伺いながら、新しい教育と学校の在り方を模索し、学校という概念や校舎という物理的なものにこだわるのでは無く、むしろメンターとの絆、個人に最適化された研究サポートの設計がより効果的な学びにつながるのでは無いかという仮説に基づき、2019年9月より新宿区市ヶ谷に場所を借りて常設の科学研究所、MANAI Instituteを開設しました。

最初は株式会社で運営を行なっておりましたが、学費無料での事業運営になるため非営利の財団で運営する方が適切だろうと考え、Manai財団で運営する方針になりました。一期生は20名、途中で転校や学校の都合で増減しましたが、半年間の研究成果を仕上げてプレゼンテーションを行いました。

その後も随時生徒受け入れ、メンタリングの実施、学会でのポスター発表をする生徒などの指導を行ってきました。コロナ禍の影響により物理的に対面や集団での活動を行えなくなり、オンラインでのメンタリングに切り換えるなど対応して来ましたが、ラボを必要とするフィジカルな研究テーマを進める事も難しくなり、2021年末をもって一旦この形での研究所を終了しました。

Manai財団とは?財団の主な活動について

MANAI財団は、2019年に設立されたMANAI Instituteを運営する非営利団体です。
設立目的は科学技術分野の振興、人材の育成と助成を掲げており東京や日本に限らず広く科学研究を行っている若手(中高生)の研究を直接では無く間接的に支援する団体として設立されました。

2020年コロナ禍に入ってから外部へのコンタクトが難しくなり研究を行う生徒達にも影響が出始めていました。

そこで団体として優れた研究を行っているが、人材や設備、資金を求めている中高生に対し研究資金を助成するプログラムとして『MANAI Grant』を開始しました。

国内外の中高生研究者から研究内容のプレゼン発表をしてもらい、その内容を研究テーマ毎に近接する分野のアカデミック・サポーターの審査を受け、評価が高いものだけに助成金を支給する事を行いました。(過去2件の助成実績)

助成先の研究は多岐に渡り、最初の助成先は中学生で広島県科学賞を受賞していたカニのエラの進化についての研究でした。また二番目の助成は東京の高校生でハチの社会行動の分析について、こちらもJ東京都優秀賞を受賞した研究でした。

いずれも高校生だからこそ出来る時間をかけた取り組みでこれまでに研究されていない新しい分野への取り組み、また仮説と検証を繰り返す研究の基本がよく出来ていた事に大学教授からもお褒めのコメントを受け、より一層研究に励む意欲が高まったと指導者も含めて感動していました。

今後も様々な形で研究者を支援していける方法を模索していますが、当面は海外の研究生向けの奨学金などは難しい状況にあるので、国内での支援活動を中心に活動していく計画です。

Manai財団の成果と今後の展望

2022年MANAI財団の新しいプロジェクトとして、『MIRAI プロジェクト』をスタートさせました。その第一回として大阪大学との提携により「MIRAI Science Camp」を3月に開催。

全国の中高生を対象に実際の研究室で行われている研究、そこで活躍する研究者との対話、そして全国から集まる生徒達から刺激を受ける事が出来る宿泊型のプログラムです。コロナの影響からオンラインでの学びを余儀なくされた生徒達にとって貴重な体験を通じて将来の自分のビジョンや進路について考えてもらう機会を創出できたと思います。

また、その一方で少し上の世代(大学生、大学院生)に進路選択や大学での生活、現在の研究テーマについて語ってもらう「MIRAI Career Talk」を実施。学校の中だけで無く、大学に進学した先輩の話を聞いて直接質問ができるイベントを不定期でオンライン開催しています。

様々な情報から自ら考え行動するオンラインからリアルな場所へ、その後は自ら取り組むべきテーマを定め、深く研究活動を行うことにより、未来を切り拓いていく若者を多く育成していく事を目指しています。

一般財団法人Manai財団 (The Manai Foundation)

Address:東京都新宿区市谷田町3-8 市ヶ谷科学技術イノベーションセンタービル2階https://manai.or.jp/ja/
Email:foundation@manai.or.jp

ローラスインターナショナルスクール オブ サイエンス

写真提供:ローラスインターナショナルスクールオブサイエンス

〒108-0014 東京都港区芝4丁目1-30 7F〜11F

現在、2022年9月に11歳以上を迎えるお子様の保護者の方を対象に、中等部の開校説明会を開催中です!

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