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インターの中身拝見! vol.2 インターの宿題ってどんなもの?(低学年―前編)

気になるインターナショナルスクールの内情を保護者やスタッフが答えます!

インターナショナルスクール(以下、インター)に興味はあっても、その実際の学校の日々や生徒たちのリアルな様子は見えてこないという人も多いのではないでしょうか。

学校は、どんな時間割?どんなランチを食べているの?宿題は多いの?どんな子が通っているの?

そんな素朴でリアルな、しかし子どもを通わせるにはとっても大事な疑問に、インターに通わせる保護者やスタッフなど、実際に関わる人達が回答するコーナーです。カフェ気分でお寄りください。

<質問02:インターでは先生は宿題を出すの(小学校低学年編)?>

前回、インターナショナルスクールに通う小学校高学年~中学生の宿題についてご紹介しましたが、今回は小学校低学年の宿題です。

日本の学校でもまだ文字の読み書きの練習や計算など基礎づくりの時期の低学年。どんな宿題が出るのか、実際にインターナショナルスクールにお伺いして先生や生徒さんたちにインタビューしてきました!

オープンで明るいAobaに訪問取材!

 お伺いしたのは、東京・光が丘にあるAoba-Japan International School(以下、Aoba)。K3(3歳頃)からG12(高3程度)までの生徒が通うAobaのキャンパスは、この夏に全てのリノベーションを終えたばかり。明るい校舎内は、生徒たちが楽しそうに行き交い、ロビーや廊下など至るところに本棚が並ぶ学び舎です。

 各学年のクラスの間には壁がなく、廊下にもそのままつながるオープンなつくり。しかし、子どもたちはしっかりそれぞれの授業に集中していました。

廊下との壁がなくオープンな教室スペース。様々な席があり、思い思いの場所で先生の話を聞く(筆者撮影)

 <先生:G3担任 サム先生>

最初に伺ったのは、G3担任の優しそうなサム先生。

先生:G3担任 サム先生

「宿題の種類は、スキル型とコンセプト型の2つに分かれます。スキル型は、リーディングやスペリング、算数の計算など、繰り返しの練習を必要とするものです。宿題は基本的に月曜に出題され、金曜日に提出。週末は、家族で過ごすことを推奨しているので、特別な場合を除いては宿題は出しません」

1週間分の中身(G3の例)はというと・・・・・・

・スペリング:新単語15~20wordsや-est(最上級)のつく言葉20words など

・ライティング:「レポートライティング」などその時習っているものを月曜からステップを踏んで行く形で行う。例えば、月曜は「アイデアをブレイン・ストーミングする」、火曜は「下書きを書く」、水曜は「見直して編集する」など金曜の提出に向けて精度を上げていく。

・リーディング:ipadのアプリ「Epic!」などを利用して、1日1冊自分のレベルに合うものを1つ読み、1文のサマリーを書く。

リーディングに使っているepic!にはたくさんの本が収録されている。時々に合わせて先生が「rain」などテーマやレベルを設定するとそれに合わせた候補の本がずらりと並び、生徒たちは選ぶことができるようになっている。(筆者撮影)

・算数:iPadにある算数ゲームアプリで最低1日1ゲーム行うといった具合だそう。習い事や体調など曜日によって宿題に割ける時間もみんな異なるので、1日毎の目安はありつつも、基本的には1週間単位。火曜日にできなくても、水曜日に挽回するということも可能です。タイムマネジメントのスキルも身につきます。

 G3での家庭学習時間の目安は、1日20~30分。上記の宿題は多そうに見えますが、どれも行ってみると5~10分程度で終わるものばかり。さらに、算数やリーディングなど、アプリを使って楽しみながら行うので、「もっとやりたい!」とどんどん自分で進めていく生徒も多いそうです。

算数の宿題アプリは、本当にゲーム感覚!掛け算もどんどんこなせそう(筆者撮影)

「アプリで行われた宿題は、先生には生徒一人ひとりの進度がすぐに分かります。どこかで閊えていそうだなということも分かるので、誰かにサポートが必要であれば声をかけたり、クラス全体が同じ単元で戸惑っているようならば授業で時間をとって詳しく説明しよう、といったように対策がすぐとれます。

また、アプリで行う内容は授業で行ったことの復習になるので、楽しんで取り組んでもらえる事が大事ですよね。ゲームをクリアすればもっと先に進みたいと動機づけになるので、自分で積極的に取り組む子が多いです」(サム先生) 

ライティングのためにマインドマップを書いているG3の生徒のノート(筆者撮影)

親子で動物園?楽しく探究できるコンセプト型宿題

さて、もう1つの宿題が「コンセプト型」。

 これは、その時々で学んでいるテーマによって出される不定期な宿題のこと。例えば、生き物について学んでいる時には、「家族と動物園に行って、見た動物をシートに哺乳類、爬虫類、両生類などに分けて書き込む」といったようなもの。こうした宿題は、家族で外出できる週末にかけて出されることが多いですが、締切までは数週間程度のゆとりもった期限が組まれているそうです。

「金曜は、Friday Check-inと言って宿題が終わっているか提出やチェックの日。宿題が滞っている子に対しては一方的に怒るのではなく、どのように取り組んでいけばいいか相談します」とサム先生。

宿題のほとんどは生徒たちが基本的に一人で取り組めるようにアプリやノートなどにやり方も示され、明確になっています。さらに、もし宿題に取り組んでいない期間が数日など続いている場合には先生と相談したり、保護者のヘルプを得てもいいなど救援措置的なルールも決めているそうです。

リーディングや算数など宿題は同じでも、実際に取り組む内容はそれぞれの子どもによってレベルや内容が選べるのが、インターの宿題には多いようですね。子どもたちの自主性を大事にした宿題設定ですね。

ここでは日本語の絵本を読み聞かせ中。日本語の授業も毎日ある。(筆者撮影)

次回は、生徒さんたちに聞いた宿題の取り組み方をご紹介します。

取材協力:Aoba-Japan International School
https://www.japaninternationalschool.com/ja/

著者:岩辺みどり
一橋大学社会学研究科地球社会専攻修士課程修了。日経系列の出版社で雑誌編集記者とし て経験を積んだ後、退社し、独立。学生時代にオーストラリア、アメリカ、イギリスなど に留学し、20カ国以上を旅する。多様性のある社会をテーマに、ビジネスからライフスタ イル、教育まで幅広く取材、執筆する。二児の母。

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