世界の外交官が日本を語る。その言葉がSDGsの教材になる理由とは?
SDGs教育の教材が多く出回る中で、世界の外交官や大使館職員が日本を語るのが「各国大使館員日本語スピーチコンテスト」です。
大使館には、外交官をはじめ多くの大使館職員がいます。
日本には、世界各国の大使館があり、外交官、外交官職員も多く住んでいます。
外交の世界で必須なのが、その国の言語と文化を理解して、コミュニケーションを取ること。
日本の外務省の外交官も英語をはじめ、第三言語を学び、赴任先の文化を理解し日本との友好関係を築いています。
編集部が気付いたのが、日本に駐在する外交官が「日本語を学び、日本に駐在している理由」です。
日本の漫画やアニメだけではなく、日本文学や葛飾北斎に代表されるアート、美術など世界に日本文化が伝わっています。
「各国大使館員日本語スピーチコンテスト」で、日本に駐在する外交官が語るテーマは、SDGs教育の教材としても高い質です。
2020年に開催された回では、外務大臣賞を受賞したのは、アメリカ合衆国大使館 ガーヴィー・マッキントッシュ氏でした。
テーマは、「私と長崎 そして日米宇宙開発」。
マッキントッシュ氏は、NASAで勤務した経験と駐在した長崎が原爆の被災地であることから語りました。
マッキントッシュ氏は、自身の経験から「宇宙開発は、平和のシンボル」であり日本から国際宇宙ステーションにより多くの日本人が関わることを期待していると語りました。
タイトルもSDGsの取り組みであるテーマ16の「平和と公正をすべての人に」の題材をさらに深めています。
多様な国が日本に大使館を置いています。
内戦状態にあるシリア・アラブ共和国大使館のフィラス・アルアトラッシュ氏は、「ダマスカスから東京へ愛をこめて」で東京に問いかけました。
歴史的に埋もれた事実も
オランダ王国大使館のテオ・ペータス氏は、2020年の本コンテストで「ヒーローとは」をテーマに語りましたが、そこで語られたのは歴史に埋もれた事実でした。
ペータス氏は、日本人外交官の杉原千畝がリトアニアの日本大使館に勤務していた時に戦火から逃げるユダヤ人に多くのビザを発給したことを指摘。
そして、新たな歴史の事実を告げました。
杉原千畝が発給したビザは、日本を通過することができますが、滞在はできません。
杉原千畝と同じくリトアニアに駐在していたオランダ領事館のヤン・ズヴァルテンディク領事代理は中南米に位置するオランダ領キュラソー島は、入国ビザが不要だったことに目を付けました。
その説明をユダヤ人のパスポートに書き込みました。
その結果、ユダヤ人は日本の領事館で通過ビザを発給してもらい、助かったのです。
SDGsのテーマ10の人や国の不平等をなくそう を新たな歴史の視点から発見することができます。
世界から日本に駐在する外交官と大使館職員が語る話には、多くのSDGsの視点があります。
多様性ある日本語スピーチは、生徒が日本語で聞くことができ、SDGs教育の題材として活きた教材です。
2021年の「各国大使館員日本語スピーチコンテスト」は、オンラインでも開催されます。
外交官、大使館職員が日本語で語る日本。
そこには、生徒たちが身近に感じるSDGs教育のテーマが多く含まれています。
開催日程
開催日: 2021年11月3日(水・祝日)
時 間:午後1時00分~午後17時00分(予定)
*12:30~ 受付開始
会 場: 港区立赤坂区民センター・区民ホール
〒107-0052 東京都港区赤坂4-18-13
※新型コロナウィルス感染拡大状況によりオンライン開催の可能性があります。
▼ご観覧ご希望の方は、下記よりご登録ください。(参加無料)
https://www.bbt757.com/svlEnquete/jsp/user/top?id=JSC2021