オフショアスクールへの期待
問題発見力、解決力は偏差値で測れません。
社会がグローバルにデジタルシフトしています。
アナログをデジタル化する作業と、デジタル化されたモノ・コトをさらにデジタルで掛け算をしてゼロから物事をグローバルに生み出す力。
デジタル化することで飛躍的に生産性が高まるモノ・コトとを考える問題発見力、解決力は標準偏差が作れません。
対談1では、「海外校と連携!新たな国際教育が地域を活性化させる」をテーマに国内大学の国際化をリードしている立命館大学でグローバル戦略を推進する今川新悟さんと兵庫県姫路市で「SDGs×教育×地方創生」に取り組む姫路女学院高等学校を運営する摺河学園学園長山田基靖さんに登壇していただきました。
対談2では、大学入試改革が始まり、入学試験で問う力も知識から総合型へと変化。多様な入試スタイルがあるなか、偏差値だけでは表せない学びの力を世界や日本の学生に、どのように伝えるをお聞きしました。
対談3では、国際教育がもたらす地域創生についてお聞きします。
編集部:姫路女学院高等学校を運営する学校法人摺河学園は、姫路市と包括協定を結んでいますが、どのような狙いがあるのでしょうか?
山田氏:2020年6月に、SDGsの普及・実践と地域社会で共生可能な国際人材の育成を推進することで姫路市と合意、包括協定を締結しました。
卒業生の多くが姫路市及び近郊の地域社会で活躍している本校が本格的なSDGs教育を導入することはつまり、地域社会の持続的な発展に貢献するマインドを広め、育むことにつながります。
姫路という街のグローバル化戦略は、姫路にいる子が、姫路愛をもちながら世界で経験を積み、姫路に戻ってくることで発展していくと考えています。
編集部:少子高齢化、人口減少が危惧される中、国際教育の推進が、地方都市に与える影響はどのように考えていますか?
山田氏:日本の少子高齢化、人口減少は危惧するべき状況です。今までと同じような労働力は、我々日本人だけでは賄えない時代が目の前に来ています。
その課題の解決に有効なのが、“オフショアスクール(海外校)”だと考えています。
これは、海外の中学を卒業後、日本で高校から日本式教育を受け、日本で進学・就職をし、地域の担い手として活躍を期待するスキームです。まだ日本にも比較的体力があり、外国からも魅力的に映る今だからこそ、外国人材を受け入れる仕組みを作るべきだと。労働力というよりは、いわゆる総合職的な担い手として、優秀なアジアの学生に日本に来てもらいたいと考えています。
本学ではすでに行動に移しています。今年の夏、インドネシアの教育財団の中学校に、姫路女学院のオフショアスクールプログラムを開設します。
現地の中学を卒業後、日本の姫路女学院に進学。計6年間、日本語と英語で、日本式教育を受けながら、日米の卒業資格を取り、日本や世界の大学に進学。その後、姫路で活躍してもらう。
そのためには、姫路市として、多様化を受け入れる環境を整えておく必要があります。学園と市が包括協定を締結したもう一つの狙いです。
今川:オフショアスクールには、非常に期待しています。
高校から日本の教育を受けた学生が、日本語力不足を理由に、日本での進学をあきらめることがないよう、英語で学ぶことができる本学のDDPやJDPのプログラムを活用してほしいと思います。
今後は、オフショアスクールを展開していく高校と高大連携して、6年間+4年間の学びを提供し、日本の教育を受けたグローバル人材を国籍問わず育成することで、可能性も広がると思います。たとえ、日本語が不十分であっても、英語で学べ、海外の大学の学位も取得できる環境が本学には整っています。優秀な人材を海外に流出させずに日本で育成できれば、今後の日本社会にも貢献できる日が来ると思います。
編集部: