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連載6: ポストコロナ時代の、デジタル活用学習のパラダイムシフト

6. デジタルを活用した個別最適な学びの課題

課題

一人一人に適した正しい学習経路が出るかは、データ蓄積により精緻化されていくものであり、歴史と使用生徒数が多いシステムのほうが、改善スピードが速い可能性があるでしょう。

また、教員にとってはシステムに慣れるまでには時間がかかること、学校のカリキュラムとシステムが提供するカリキュラムを合致させる工夫、PCやタブレット購入のコストなどは、導入初期においては課題となるでしょう。

個別化学習は、学習におけるインプットには大きく寄与しますが、ディスカッション、質疑、グループ学習等の協調学習を通じて得られる思考力、コミュニケーション力、コラボレーション力、創造性への効果は限定的であることを認識する必要があります。

真のメリット

Personalized & Adaptive Learningからは、21世紀に生きる人間に必要な創造力とコミュニケーション力は直接的には期待できません。その意味では、Personalized Learningのみの学習は、21世紀の教育と言えません。

今、21世紀を生きる子どもたちは、私たち大人が子どもであった時代以上に、限られた時間に多くのことを身につけることを求められています。

Personalized Learningは、そんな彼らに基盤となる知識と技能を効率的に身につけ、教室ではより多くの時間を、クリエイティビティやコミュニケーション・コラボレーションに割くことを可能とするための、新しい手法と考えるべきでしょう。

例えばPersonalized Learningシステムにより生徒全員が最低限の知識と技能を効率的に短期間で完全習得し、は全生徒が同じ前提知識を持ったうえで、授業ではプロジェクトベース学習、問題解決型学習に移行する授業モデルが考えられます。

Personalized Learningの考え方を進めていくと、画一的な時間割にも疑問が湧いてきます。全ての生徒が等しく45分間:算数、45分間:国語、をやる必要はないでしょう。

全員が参加する共通学習時間はありつつも算数が得意な生徒は算数は30分ですませ、算数の応用や得意なほかの分野を伸ばす、共通時間と個別時間の合わさった時間割の個別化を実現する教育実践も、今後の課題となると思います。

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