4. スキル・姿勢・行動の教育
スキル
知識を得て、概念を理解するだけでは、学習としては不足で、これらを応用し現実社会で実践するための道具だてが必要になります。これをPYPではスキル、として定義しています。例えば、「読み・書き・計算」は、言語や算数という教科だけでなく、全ての学びに共通する重要な必要なスキルと位置づけられます。
こちらについてもPYPでは細かく規定しています。
Thinking skills
Social skills
Communication skills
Self-management skills
Research skills
姿勢
知識・概念・スキルだけでは、一人ひとりの内部に学んだことがとどまっているに過ぎないので、PYPでは学んだことを、姿勢として周囲に対して働きかけていくことが大事と考えています。この「姿勢」に含まれるIBが規定する要素は以下の通りです。
感謝、根気、自信、協調、創造性、好奇心、共感、熱意、自主性、誠実、尊重、寛容
教室内においては、たとえば、単純に「感謝しなさい」と押し付けるのではなく、探究している実際の文脈の中で、児童が自分の価値観を振り返り発展させる、メタ認知の枠組みを提供する必要があります。
行動
PYPでは、知識・概念・スキル・姿勢に加え、行動も学習の目標として位置づけられています。
従って最終的に評価されるべきこの行動は、教師の指示による行動して動くのではなく、自発的になされる行動が必要です。
行動は、授業内以外でも、教室の整理整頓を進んでする、けんかを進んで仲裁する、など、教室の中、または家庭で手伝いを自発的に行う、といった過程でもおきます。
以上、PYPのカリキュラムを形作る5つの要素を紹介してきました。正直、PYPの体系は説明が難しいのですが、もう一つの国際カリキュラムの雄であるケンブリッジ国際、および日本や諸外国一般のカリキュラムとは相当異なることがなんとなくでも理解いただければと思います。