インターナショナルスクールはなぜ海外からの転校生を一年中受け入れるのでしょうか?
日本では新年度は、4月ですが、外国人の子どもが学ぶインターナショナルスクールならではの理由があります。
多くのインターナショナルスクールでは、海外からの転校生をほぼ一年中募集しています。
ちなみに国内にいる生徒の入試は、一年に一度と決まっています。
海外転勤族のように新年度の違いがあったり、急な転勤が決まる、などの事情がないためです。
転校生にほぼ一年中対応するのは、インターナショナルスクールの設立目的が、駐在する外国人の子どものために作られた学校だからです。
国内転勤であれば、カリキュラムに沿って学んでいるので大きく学ぶ内容が変わることはありません。日本では、転校しても文部科学省の学習指導要領に沿っているため、教わる言語や内容に大きな違いはありません。
しかし、海外転勤族にとって言語も文化も違う学習環境は、子どもにとって悩みの種です。
インターナショナルスクールが生まれた背景には、海外転勤族の悩みを解決することがありました。
さらに海外転勤族の子どもが大学志願で不利にならないように、ケンブリッジ国際試験、国際バカロレアのディプロマ資格などが生まれました。
国際教育インフラとして
海外からの転勤してくる家族を対象として一年中生徒を募集をしているのは、インターナショナルスクールが本来持つ国際教育のインフラとしての役割と言えます。
駐在する予定の転勤族が、次の転勤国のインターナショナルスクールを知るためにインターナショナルスクールは、ホームページからチャットやオンラインの個別相談ができます。
さらに志願から入学手続きまで一度も学校に来ることなく、オンラインで面接や入学試験を海外から受ける場合もあります。
インターナショナルスクールの入学担当は、夏休み、クリスマスは休む場合がありますが、年に一度だけの入試をすることはなく、ほぼ一年中、海外からの入学希望者の対応をしています。
「子どもの学校が決まらない」場合、転勤を諦めるケースもあります。
海外から日本に駐在したいと考える家庭にとって、インターナショナルスクールは必須な国際教育のインフラなのです。
国によって新年度は、春・秋など大きな違い
日本では春に新年度が始まり、欧米では秋に新年度が始まります。
国内にあるインターナショナルスクールの多くは、欧米に合わせて秋始まりです。
日本に在住する外国籍の児童が転校するタイミングも夏が多く、春始まりのインターナショナルスクールは、外国人にとって転校しにくいため校数が少ないのが現状です。
そのため大学志願資格の試験である国際バカロレアのディプロマ資格試験は、春・秋に実施されています。
年二回、試験があることで秋始まりの生徒、春始まりの生徒も国際バカロレアのディプロマで学んだ2年目の後半に試験があるようになっています。
ちなみに国際バカロレアのディプロマ資格試験は、日本のデュアル・ラーゲンジディプロマの学校は秋に、インターナショナルスクールは春に受験をしています。
転勤族の憂鬱は世界共通
国内の転勤族も、転勤の辞令が出る正月明けにはそわそわするように、海外転勤族も5月になると落ち着きません。
さらに世界経済のグローバル化により、今や海外転勤はほぼ一年中となりました。
海外転勤族にとって、子どもが日本語を主体とした日本の小中学校に通うのは現実的ではありません。
むしろ、学ぶことも難しいため、英語やフランス語、ドイツ語などのインターナショナルスクールを選びます。
インターナショナルスクールは、海外転勤族のための教育機関として海外からの応募者には柔軟に対応しています。
同時にインターナショナルスクールの経営として、海外転勤族の動きを予測し、受け入れ枠を確保することもあります。
国内外からの生徒のお応募状況を世界経済や自然災害、疫病などの流行から生徒募集を考えているのがインターナショナルスクールのアドミッションです。
多様性ある生徒構成を作りながら、いかに海外転勤族のニーズに対応できるか。
これはインターナショナルスクールならではの経営課題です。
「一年中、生徒を受け入れる。」
「そして、転校する生徒を送り出す。」
これはインターナショナルスクールの創立からの使命といえます。
転勤族の必要から生まれたインターナショナルスクール。
一年中、海外からの生徒の受け入れをするワケの背景には、新年度が違う国などからも生徒を受け入れる教育インフラとしての使命を果たそうとする理念があるのです。